[将棋お悩み相談]先手三間VS右四間飛車エルモ①。三間が普通に組んだらまさかの結果に。
今回は読者様から頂きましたお悩み相談の回答になります。読者様は三間飛車党で、右四間飛車エルモ戦法にお困りのようです。AIさんがついてれば大丈夫！と思い、ゆには快諾してしまったのですが、本当に大丈夫なのでしょうか・・？
右四間飛車エルモ優秀すぎ問題
そもそもゆには右四間エルモを全く知らないので、まずは鈴木肇さん著の「振り飛車を一刀両断！右四間飛車エルモ囲い」という本を拝読いたしました。感想としては、優秀すぎて対策がしんどいかも、って感じでした。結論から言いますと、三間飛車側が普通に組んでしまうと、左銀が動かしづらいために進展性がなく、一番良い変化でも千日手になってしまいそうなのです。以下にその説明をしますが、上述した鈴木肇さんのご著書の内容に自然と近くなってしまいますので、その点は何卒ご了承願います。
なお、今回も評価関数は「Hao」を使用させて頂きます。振り飛車側を先手とし、以下をテーマ図とします。
初手から
▲７六歩 △３四歩 ▲６六歩 △６二銀 ▲７八飛 △６四歩 （テーマ図、評価値も併せて表示)
まずは普通に組んでみる
テーマ図では評価値が-50点ぐらいで、振り飛車にしては悪くなく、案外いけそうに思うかもしれません。とりあえず、細かい手順は置いておいて、AIさんが推奨するように普通に玉を囲ってみることにします。
テーマ図から
▲４八玉 △６三銀 ▲１六歩 △１四歩 ▲３八銀 △４二玉 ▲３九玉 △６二飛 ▲５八金左 △５四銀 ▲２八玉 △３二玉 ▲６八銀
△４二銀 （途中図)
既にやりづらい雰囲気
テーマ図から普通に組み合うと、ほぼ途中図のようになるはずです。問題はここでの指し手が非常に難しいことです。先手としては出来れば▲５六歩と突いて、▲５七銀と活用したいのです。そうなれば立派な形です。が、▲５六歩にはすかさず△６五歩と突かれて、５六の歩を狙われてしまいます。ここでは詳細は省きますが（鈴木肇さんのご著書をご参照下さい)、その変化は先手面白くないと思われます。
そこで銀を活用するための代替案として、▲６七銀～▲６八飛～▲５六銀のようなルートを考えることにします。AIさん的にはそれがオススメみたいなのですが・・。
途中図から
▲６七銀 △３一金 ▲６八飛 △６五歩 ▲同歩 △８八角成 ▲同飛 △６五銀 ▲６六歩 △同銀 ▲同銀 △同飛 ▲５五角 △６九飛成
▲１一角成 △６七歩 ▲７七馬 △３三角 ▲６六香 △５一金 （結果図、評価値も併せて表示)
AIさん「-1点に回復したよ＾＾(歓喜)」
▲６八飛には△６五歩と突き、以下は定跡の攻め手順です。結果図は鈴木肇さんのご著書で言及されている局面に近いのですが、AIさんの指摘する手は本に載っていない▲６七金で、AIさんは「評価値が-1に回復したよ＾＾」と喜んでいるようです。-1点とは中々嫌な予感がしますね。その後の手を調べてみますと、以下△６五歩▲６八金△７九竜▲６七歩△６六歩▲同歩△６一香▲７八金△６九竜▲６八金△７九竜・・以下繰り返し、まさかの千日手。
というわけで、先手三間飛車VS右四間飛車エルモですが、振り飛車側が普通に組むと千日手に持ち込まれてしまう可能性が高そう、というのが一応の結論です。とすると、右四間飛車エルモは後手番戦法としてはかなり優秀そうですね。
このままでは読者様に申し訳が立ちませんので、次は少しだけAIさんに逆らって対策を考えてみようと思います。読んで下さり有難うございました。引き続きよろしくお願いいたします。