指す将順位戦9th B1第4局 ▲けい-△最速キメ

対局準備(将棋編)

 本局は、昨季B2から昇級してきた最速キメさんとの一戦です。昨季9勝2敗の優秀な成績で昇級されており、自分の知っている人との対局で言うと88ミノさんにも勝っているということで、相当難しい対局になると思っていました。

 24のレートを見ても自分より300程度上とかなり高く、明確な格上を相手にしていると思って準備を行っていきました。まあ自分があまり24で指さないのもあって半分棋力差詐欺みたいになってますが…

 24での棋譜を見たところ基本的に対振り飛車には機敏に仕掛け、急戦を選択する展開が多そうだったので進行によっては四間飛車の採用も考えていました。ただ、最近四間飛車を居飛車穴熊相手に持っていないので、持久戦調で来られたときにどうしようかなと思っていました。

 直前にウォーミングアップがてら指した将棋は相振り飛車ばかり……いいかげん想定している展開の練習をさせてくれ!

 前局の直前といい呪われてるのかな?

対局準備(飲み物・食べ物編)

 今回も水・モンスターエナジーパイプラインパンチ・冷凍ブルーベリーの三種の神器を準備しました。まじでルーティーンとして確立しつつある。
 そのほかには糖分摂取用にヨーグレットミニを、気分を変えられるようなものとしてシゲキックスソーダ味を用意していましたが、対局中取り出す余裕や欲しくなるタイミングがなかったので結局食べませんでした。

対局

棋譜:https://lishogi.org/study/zfkJLRJR/fZHnQwUX#0

 本対局の棋譜は上のリンクからどうぞ。

 事前予想では急戦調の将棋を想定していましたが…

図1:4手目△3二飛

 Oh……
 事前の想定全部意味なかったです。と同時に、偶然にも直前に指した将棋が相振り飛車ばかりだったのはラッキーだったかもしれないと思いながら指し手を進めていきました。

図2:40手目△7四銀

 この局面は完全に気を抜いていました。確かに銀出で歩を取り込んで来られると、歩損+角が不安定、その上展開が遅れていることもあり一気に指しづらくなっています。

図3:50手目△1三角

 この局面では一気に押し込まれる展開ですでに苦しいと感じています。自分が攻めるためには9五歩、8五桂と少なくとも2手かけたうえで9四歩でようやく開戦です。しかも端からの手なので逆に逆にと逃げられてしまうと捕まえるビジョンが見えません。

 一方で、自分はすぐに3六歩同歩同飛3七歩5六飛同歩6九銀のような展開もあると思っていましたが、さすがに形勢を悲観しすぎで、実際は相手も6三金のように自陣に手を入れるのがよかったようです。焦りすぎて暴発しなくてよかった…

図4:60手目△4三銀引

 この手を見たとき、やや変調したか?と思いました。この直前までの自分のねらいとしては、①端から手を付けるための歩の確保②6三歩など相手の駒の連結を乱して角を下ろすスペースを作るの二つでした。

 しかしそのためには歩が足りないということでいったん端の歩をつき捨てておいて6二飛から6四の歩を狙いに行くという判断をしました。ここでまっすぐ来るなら、すぐに角を打って馬を作りに行くような展開でしょうか。

 実際、対局中もその展開を読んでいて、7七角でも6四飛6三歩6九飛として、馬を作らせてもギリギリ端の攻めをつなげていけばワンチャンスあるかもしれない…ぐらいの考えでした。ここで一手余裕ができたのが気分的にかなり大きく、間に合わないと思っていた9三歩を指すことに。

 ちなみに、示されている9四香は飛車を寄る前にも表示されていました。その後同香9二角が狙いのようで、評価値的にはそれでこちらがほんの少しいいらしいです。ただその展開自体は読んでいましたが、龍を作れても攻め駒が龍と桂2枚では自分の棋力だと攻めがつながりそうもなく見送りました。

図5:73手目▲9四香

 対局中は何とか捌ききって一山越えたという感じで、本譜と同じく6六桂5九金9九飛4九金左9四飛成8一との進行を読んでいました。この展開ならば、相手の攻めが遅くチャンスが生まれていそうです。ただ、上の局面図で示されている2六歩は確かに入れ得で、指されてみると意外ときつい展開になっていたかもしれないと思います。

 その後は、龍を再度もぐってきた手に対して攻め駒を責める6七香。そこから歩と桂馬を使って6筋をこじ開けに行きました。結局香と金を交換して6三歩と歩で左側を封鎖できたので、その局面では流れはこちらに来ていると思いました。

 同時に調子に乗って駒を渡す攻めにならないように意識していました。先ほど述べた金香交換後の95手目6三歩96手目5一王の局面では、最善手は6二金が示されています。しかし、桂馬が質駒になっている以上金駒を渡しながらの攻めは見落としが出るといけないと考え、飛車取りに角を当てて左に馬を作る展開で行きました。
 このあたりの感覚は、先ほどの9四香を見送った判断と合わせて自分の棋力なりの手が選択できていると思います。

図6:108手目△8五角

 やはり最後まで油断できないですね。わかりやすい6三金などの攻めを受けつつ、敵陣に睨みを利かせる攻防手で最後までプレッシャーをかけてきています。実際には4二金など縛って大体勝ちなのですがほぼ勝ちが見えている+秒読みという状況では冷静に判断しきれませんでした。その後の進行を検討してみると、逃げられていたら沼っていそうでした。

 結局2六桂同歩同歩のタイミングで自玉が安全ということで、4二金と縛り、最終的には115手目▲7三金までで相手が投了。本局も勝ちとなりました。

対局を振り返って

 事前に明確な格上との難しい対局になると予想していた通り、苦しい展開の1局となりました。格上相手に中盤何とかねじり返し、アヤをつけて逆転まで持って行けたのは今後の自信につながると思います。それ以上に終盤やらかしかけていたことは反省しなければいけませんが…

 これで今季は4-0と最高のスタートを切ることができました。前節まで3-0のポールさんや順位が上で2-1の口火さんの4回戦が終わっていないので昇級争いはまだ何とも言えませんが、ここまで対局してきた相手は全て対局時点で自分と1敗差以内の成績ということもあり、競り合う相手を減らす展開にはできていると思います。その点でも本局の勝利の価値はかなり高いのではないでしょうか。

次の対局に向けて

 5回戦では、島ノ葉尚さんと当たることになっています。指す将順位戦界隈ではかなり有名な方で、noteやTwitter(現:X)、今期から始まった指す順放送局など精力的に活動されていて本当に尊敬しています。ここで取り上げられるようないい対局がしたいですね。

 対局する日・時間帯によっては多くの方が見に来られると思うので、恥ずかしくない将棋が指せるよう本局以上にしっかり準備して島ノ葉さんとの対局に臨みたいです。

今後書きたいもの、書かなきゃいけないものの在庫

 今後書きたい、noteを始めたなら書かなきゃいけないと思っているものは以下の通りです。失踪せずに続けられるといいですね。

優先度 高:今季指した指す将順位戦の記事×残り0
      指す将順位戦B1 序盤の総括(5局目までに書く!)

優先度 中:自分の棋風や採用戦法について(温存中)
      自己紹介(将棋以外)
      昨季の振り返り

優先度 低:昨季の個別の将棋についての記事(書かない気がする)
      日記的な記事


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