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第70回NHK杯の中間状況

第70回NHK杯は2回戦を終了し3回戦に突入しているが、タイトルホルダーが相次いで敗れており誰が勝つのかわからない混戦模様になっている。現状を整理し、今後の展開を考えてみたい。現時点のトーナメント表は、以下の通りである。(日本将棋連盟HPから引用)

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まず11月22日放映の2回戦で、藤井二冠が木村九段に敗れた。解説が羽生九段と言う点でも話題となった対局で、木村九段が強気の受けから攻め合いに持ち込み、終盤に馬をタダ捨てする好守を魅せ、王位戦七番勝負のリベンジを果たした。

3回戦に入ると、12月6日の放映では渡辺名人が羽生九段に敗れた。羽生九段は、本棋戦最多となる11回の優勝を誇り、唯一の「名誉NHK杯選手権者」の称号を持っている。本局でも流れるような手順の攻めを魅せ、最終盤の渡辺名人の反撃にも的確な受けで逃げ切った。

続いて12月13日の放映では、豊島竜王が杉本八段に敗れた。杉本八段が初手▲1六歩~3手目▲1五歩という奇襲で豊島竜王に飛車を振らせる作戦が奏功し、終盤見事な即詰みに討ち取った。藤井二冠が公式戦6連敗と苦手としている相手に、師匠が敵討ちを果たした形になった。

残っている顔ぶれを眺めると、上述の3名に加え、前年覇者の深浦NHK杯や永瀬王座が3回戦に駒を進めている。若手の青嶋五段が残っているのも楽しみな存在だ。羽生九段が12回目の優勝を遂げるのか、永瀬王座が初優勝に輝くのか、毎週日曜日の放映を楽しみにしたい。

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