第81期順位戦B級1組7回戦
10月20日に順位戦B級1組7回戦の一斉対局が行われました。
この日、私が注目していたのは、5勝0敗で昇級争いをリードする中村太地七段と、まさかの4連敗で出遅れた近藤誠也七段の対局です。先手の中村七段が角換わりに誘導しますが、近藤七段は角道を開けず相雁木の将棋となります。近藤七段が5筋の位を取ると、中村七段は3筋から仕掛け、両者とも歩の技の応酬を見せます。中村七段が角をぶつけて交換すると、近藤七段も桂交換から銀交換と激しく駒を取り合います。中村七段は飛車取りに▲6四角と打ち、近藤七段が△7三銀と応じると、角を見捨てて金取りに桂を打って攻め掛かります。近藤七段も飛車取りに△3六角と打って反撃すると、中村七段は飛車も見捨てて後手玉に攻め掛かりますが届きません。近藤七段は飛車を走って先手玉に迫ると、2枚の飛車を捨てて長手数の即詰みに討ち取りました。
他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
屋敷伸之九段 - 羽生善治九段
久保利明九段 - 山崎隆之八段
佐々木勇気七段 - 郷田真隆九段
横山泰明七段 - 三浦弘行九段
澤田真吾七段 - 丸山忠久九段
中村(太)七段は敗れて5勝1敗となりましたが、単独トップを維持しています。佐々木(勇)七段が5勝2敗、久保九段と澤田七段が4勝2敗で続いています。上位陣の順位が低いので、3敗勢にもまだ十分チャンスが残っていると思われます。大注目の羽生九段は2勝4敗となり、一期でのA級返り咲きは苦しくなってきました。
次の8回戦では、中村(太)七段vs佐々木(勇)七段、久保九段vs澤田七段という、上位陣同士の激突がありますので楽しみにしたいと思います。
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