藤井竜王名人にとっての鬼門(3)
前回、前々回と、全八冠制覇に向け驀進している藤井聡太竜王名人にとって鬼門はないのかという観点で、全タイトル戦73局の都道府県別勝率や立会人別勝率を調べてみました。
今回は全タイトル戦73局(2023年7月末時点)について、記録係別の勝率を調べてみました(筆者調べなので、間違いがあったらご容赦ください)。藤井竜王名人の勝率が低い記録係は以下の通りです。
大林真央人二段:0.000(0勝2敗)
柵木幹太四段:0.000(0勝1敗)
高橋佑二郎三段:0.000(0勝1敗)
折田翔吾五段:0.400(2勝3敗)
松下洸平初段:0.500(1勝1敗)
清水航三段:0.500(1勝1敗)
齋藤光寿三段:0.500(1勝1敗)
ついに藤井竜王名人が負け越している切り口を見つけました。しかし勝敗差でみると、2差が1人、1差が3人ですから、これらの方々も記録を取る回数が増えれば勝ち越しに転ずるのかもしれません。
松下初段は藤井竜王名人と同郷同学年だそうで、栓抜きに手こずる藤井竜王名人をさりげなく手助けしたエピソードは有名です。ただ藤井竜王名人も「松下君が記録の時に、よく負けているような」という印象は持っているようです(タイトル戦以外の公式戦を含め)。
なお、この調査は単純に藤井竜王名人の記録係別の勝率を調べたものであり、記録係の方々の仕事の良し悪しとは全く関係ありません。記録係の仕事は大変な重労働であり、自ら手を上げて記録を取っている方々への尊敬と感謝の気持ちを、念のため申し添えておきます。