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第80期順位戦C級1組10回戦

2月8日に順位戦C級1組10回戦の一斉対局がありました(三枚堂七段と西尾七段の対局は延期)。

この日、私が注目していたのは、7勝1敗で昇級争いの先頭に立つ及川拓馬七段と、前節に好調の出口五段を破った青嶋未来六段との対局です。先手の青嶋六段は居飛車も振り飛車も指しこなすオールラウンダーですが、やや意表を突く居飛車の矢倉を選択します。青嶋六段が3筋から仕掛けて銀交換すると、及川七段も8筋の継ぎ歩攻めで先手の陣形を乱します。盤面中央で激しく駒を取り合う展開となり、及川七段は金で角を取ってから竜を作って先手陣に攻め込みます。青嶋六段も金銀で後手玉に迫りましたが、及川六段は端歩を突いて1筋に逃れると、△7六金のタダ捨てから即詰みに討ち取りました。

他の主な注目対局の結果は以下の通りです(左が勝者)。
 畠山成幸八段 - 船江恒平六段
 飯島栄治八段 - 都成竜馬七段
 高橋道雄九段 - 宮本広志五段
 黒田尭之五段 - 豊川孝弘七段
 大橋貴洸六段 - 千葉幸生七段

及川七段が勝って8勝1敗となり、昇級を決めました。私が期待している大橋六段も8勝1敗となりましたが、順位の関係で残り2枠の昇級争いは、7勝2敗の飯島八段と高橋九段を含めた3人の最終局の結果次第ということになりました。大橋六段と飯島八段は勝てば自力昇級となりますが、どちらかが敗れると高橋九段が勝てば昇級となります。還暦を過ぎた高橋九段が昇級となれば、順位戦の最年長昇級記録を更新するそうなので注目されます。
一方、7人に付けられる降級点(*)争いは、2勝以下の7人が最終局に勝っても降級点圏内から脱することができないため、最終局を待たずに決着してしまいました。既に降級点を1回取っている森下九段、佐藤(秀)八段、豊川七段、田村七段のベテラン勢は、残念ながら降級が決まっています。

(*)降級点  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
B級2組以下のクラスでは、成績が悪くても1期で降級することはなく、成績下位の一定人数に「降級点」がつけられる。降級点はB級2組とC級1組では2つ累積、C級2組では3つ累積すると降級する。

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