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第82期順位戦B級1組12回戦

2月8日に順位戦B級1組12回戦の一斉対局がありました(一部対局は延期)。

私が注目していたのは、7勝3敗で昇級圏内の千田翔太七段と、5勝5敗で負けられない屋敷伸之九段の対局です。後手の屋敷九段が角道を止め、相居飛車の力戦となります。千田七段が3筋から仕掛け、角の利きを通して飛車も3筋に寄せると、屋敷九段は金銀を繰り出して受けます。千田七段は飛車を2筋に戻し、角をぶつけて交換すると、屋敷九段も飛車を7筋に寄せて反撃し銀を交換します。屋敷九段が飛車取りに△1五角~△3八銀と飛車を攻めると、千田七段は飛車を取らせる代わりに角を取ります。屋敷九段は先手の玉頭から攻め掛かり、千田七段が飛銀両取りに▲6一角と打つと、△7七飛成と金を食いちぎり、金銀両取りに△7五桂と打ちます。千田七段は構わず▲3三歩~▲4四角成と馬を作り、屋敷九段が△3七飛成と竜を作って馬に当てると、馬に紐を付けつつ金取りに▲4三銀と打って寄せ切りました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 羽生善治九段 - 糸谷哲郎八段
 近藤誠也七段 - 木村一基九段
 三浦弘行九段 - 山崎隆之八段
 大橋貴洸七段 - 横山泰明七段

※佐藤康光九段 vs 澤田真吾七段は延期

千田七段が8勝3敗となり、自身初のA級昇級と八段昇段を決めました。残り1枠の昇級争いは、8勝3敗で抜け番だった増田(康)七段と、7勝4敗の大橋七段に絞られました。最終13回戦で増田(康)七段が勝てば昇級、順位が上の大橋七段は並べば昇級となります。
一方3人が陥落する残留争いは、既に木村九段と横山七段の陥落が決まっており、残り1枠は5勝以下の4人が争う大混戦になっています。4人の中で順位が低い屋敷九段は、最終13回戦に勝って6勝6敗の指し分けでも陥落の可能性がある厳しい状況です。
最終13回戦は、大橋七段は千田七段と、増田(康)七段は屋敷九段との対局が組まれており、昇降級が懸かる熱い戦いとなります。


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