
第14回朝日杯将棋オープン本戦 準決勝の顔ぶれ
第14回朝日杯の本戦1-2回戦が順次行われ、準決勝の顔合わせが決まりました。
渡辺名人:1月16日に野月八段と永瀬王座を破って勝ち上がりました。
藤井二冠:1月17日に大石七段と豊島竜王を破って勝ち上がりました。
三浦九段:1月21日に阿久津八段と木村九段を破って勝ち上がりました。
1回戦の阿久津八段との対局では、後手で角換わり腰掛け銀の将棋となり、6筋から仕掛け、飛車取りに打った銀を敵玉への攻撃に参加させて快勝しています。
2回戦は木村九段との同世代対決となりましたが、先手で相掛かりの将棋となり、角交換に来た相手の角を取らずに桂と銀を取って踏み込み、粘る木村九段の反撃を許さず寄せ切りました。
西田四段:1月29日に千田七段と深浦九段を破って勝ち上がりました。
1回戦の前回優勝の千田七段との対局では、後手で三間飛車に振り、2筋の突破を許すも奪った銀で飛車の捕獲に成功し、最後は相手玉頭の9筋で香の2段ロケットを発動させ即詰みに討ち取りました。
2回戦の深浦九段との対局では、先手で四間飛車に振り、相手が穴熊に囲うのを見てミレニアムに構え、終始強気の姿勢で攻め続け最後の寄せ合いを制しました。
西田四段は、2017年プロ入りの29歳で、第7期加古川青流戦で優勝していますが、全棋士参加棋戦での上位進出は初めてです。
朝日新聞デジタルによれば、四段の棋士が朝日杯で4強入りするのは初めてだそうです(藤井二冠が第11回朝日杯で4強入りを決めた時点では四段でしたが、準決勝を迎えた時点では五段に昇段しており、そのまま優勝して六段昇段を果たしています)。
番狂わせが起きやすいと言われる早指し棋戦ですが、一次予選から数えて7連勝で勝ち上がってきたことは見事という他ありません。西田四段は対局後「奇跡みたいな感じ」と語っていますが、準決勝・決勝とどこまでこの勢いが続くのか、また1つ楽しみが増えた様に思います。
2月11日に行われる準決勝は、渡辺名人vs藤井二冠、三浦九段vs西田四段という顔合わせになります。そして同日、勝者同士が決勝に臨みます。持ち時間40分という早指し棋戦で、勝利の女神は誰に微笑むのか、注目していきたいと思います。