第68回奨励会三段リーグ折り返し
奨励会三段リーグは、先日発売されたNumber将棋特集第二弾でも記事になっていましたが、プロ入り直後に29連勝した藤井二冠でさえ5敗(13勝)も喫した、「地獄」とも呼ばれる過酷なリーグです。今期三段リーグは折り返し点を過ぎましたので、現在までの状況を一度整理しておきたいと思います。
全18局中10局を終えた時点の星勘定は、9勝1敗が1人、8勝2敗が3人、7勝3敗が3人となっています。原則として上位2人が昇段(=プロ入り)となり、通常13-14勝がボーダーラインとなっているようです。
初の女性棋士を目指す西山朋佳女流三冠は、7勝3敗と好位置につけています。順位が低いのでまだまだ厳しい状況ですが、昨年に1度次点を取っているので3位までに入れば昇段できます。女流王座戦では終盤の逆転で防衛を果たし、棋聖戦2次予選ではあと1勝で本戦出場というところまで勝ち上がっている勢いで、難関の三段リーグ突破の期待が掛かります。3月6日の最終日に2敗の井田明宏三段との対局が組まれており、昇段を掛けた重要な1局となるかもしれません。
新人王戦で決勝三番勝負に進んだ齊藤優希三段も7勝3敗となっています。残り8局で最低でも6勝したい状況ですが、新人王戦での自信を糧に頑張って欲しいと思います。
今期最年少、16歳の片山史龍三段は6勝4敗となっています。順位が低いので今期昇段するには残り全勝が求められそうですが、まずは勝ち星を積み重ねて来期の順位を上げておきたいところです。
女性として3人目の三段リーグに初参加となった中七海三段は、2勝8敗と最下位に沈んでいます。ここから巻き返して残留し、来期以降の躍進を期待したいと思います。