第8期叡王戦段位別予選の展望(九段、八段)
第7期叡王戦五番勝負は藤井聡太叡王が出口若武六段を降して連覇を果たしましたが、既に次期叡王戦の段位別予選が始まっています。叡王戦は、前期ベスト4以上(第8期は、前期挑戦者の出口六段に加え、服部慎一郎四段、佐藤天彦九段、船江恒平六段)がシードされますが、それ以外はタイトルホルダーも段位別予選からの出場となります。早速九段戦と八段戦の顔ぶれを確認しておきたいと思います。
九段戦
29人が3つのブロックに分かれて、本戦入りを目指して戦います。
叡王戦では、これまで九段戦から勝ち上がった棋士の本戦トーナメント優勝がありません(第2期の佐藤(天)九段は八段戦からの勝ち上がり、第5期の豊島竜王はシード)。今期は九段戦を勝ち上がった棋士の叡王挑戦があるのか、興味深いところです。
Aブロック
渡辺明名人と永瀬拓矢王座が入る超難関ブロックとなっています。本戦進出の最有力候補としては、永瀬王座との相性が良い渡辺名人を挙げておきたいと思います。他にもタイトル獲得通算100期を目指す羽生善治九段がおり、タイトルホルダーが2人とも姿を消してしまう可能性もありそうです。
Bブロック
森内俊之九段、三浦弘行九段、久保利明九段、深浦康市九段、鈴木大介九段ら、誰が勝ち上がってもおかしくない激戦ブロックとなっています。本戦進出の最有力候補としては、竜王戦でも本戦入りを果たした森内九段を挙げておきたいと思います。振り飛車御三家の久保九段と鈴木九段の戦いにも注目しています。
Cブロック
佐藤康光九段、郷田真隆九段、木村一基九段、豊島将之九段ら、実力者が揃う激戦ブロックとなっています。本戦進出の最有力候補としては、今期も王位戦挑戦者に名乗りを挙げた豊島九段を挙げておきたいと思います。会長職の激務の中、順位戦ではA級で戦う佐藤(康)九段にも注目したいと思います。
八段戦
28人が3つのブロックに分かれて、本戦入りを目指して戦います。
第6期には、八段戦から勝ち上がった藤井聡太王位・棋聖(当時)が本戦も勝ち上がって挑戦権を獲得し、叡王奪取を果たしています。今期も八段戦を勝ち上がった棋士が挑戦権を獲得できるのか注目されます。
Aブロック
順位戦A級に在籍する糸谷哲郎八段と菅井竜也八段が2回戦で激突します。本戦進出の最有力候補としては、両者の対戦成績で上回る糸谷八段を挙げておきたいと思います。菅井八段としては、苦手の糸谷八段を破れば本戦への道が開けそうです。
Bブロック
名人に2期連続して挑戦した斎藤慎太郎八段がおり、本戦進出の最有力候補と思います。他には竜王戦で決勝トーナメントに進出している山崎隆之八段、前期は本戦に進出した中田功八段、実力者の阿久津主税八段にも注目しています。
Cブロック
順位戦A級に在籍する広瀬章人八段と稲葉陽八段が入っています。本戦進出の最有力候補としては、両者の対戦成績で上回る広瀬八段を挙げておきたいと思います。他には実力者の松尾歩八段、藤井叡王の師匠杉本昌隆八段にも注目しています。
※七段戦以下の展望については、別途投稿予定です。