第8期叡王戦本戦トーナメントの展望
叡王戦の段位別予選が終わり、本戦トーナメントの組み合わせが発表されています。前期は出口五段と服部四段(ともに当時)という非常にフレッシュな挑戦者決定戦となりましたが、今期も渡辺名人、羽生九段、豊島九段、広瀬八段、斎藤(慎)八段ら有力棋士が段位別予選で姿を消しており、ニューヒーローの誕生を予感させる顔ぶれになっています。
一番左のブロックは、前期は挑決で敗れた服部慎一郎五段が、シードされて本戦からの登場です。今年度も各棋戦での活躍は目覚ましく、ベスト4の有力候補です。このブロックには若手の本田奎五段と山本博志四段も入り、前期と同様に新鋭の活躍が楽しみです。今年度は不振に苦しむベテランの佐藤康光九段が若手の壁になれるか注目したいと思います。
左から二番目のブロックは、前期ベスト4の佐藤天彦九段が、シードされて本戦からの登場です。稲葉陽八段、菅井竜也八段と、今期順位戦A級の3人が入る激戦ブロックとなりましたが、順位戦で藤井竜王に土を付けた菅井八段をベスト4の有力候補に挙げたいと思います。若手の石井健太郎六段にも注目しています。
右から二番目のブロックは、前期ベスト4の船江恒平六段が、シードされて本戦からの登場です。ベスト4の有力候補には、王座戦挑決トーナメントで藤井竜王を破って決勝まで進出した大橋貴洸六段を挙げたいと思います。このブロックには実力者の山崎隆之八段と近藤誠也七段も入っており、上位進出を狙っています。
一番右のブロックは、前期五番勝負を戦った出口若武六段が、シードされて本戦からの登場です。ベスト4の有力候補には今年度は棋聖戦以降タイトル挑戦のない永瀬拓矢王座を挙げたいと思います。このブロックには実力者の三浦弘行九段と梶浦宏孝七段も入っており、上位進出を狙っています。