第80期順位戦B級1組5回戦
9月16日に順位戦B級1組5回戦の一斉対局がありました。注目の藤井聡太王位・叡王・棋聖は、相手の木村一基九段が王座戦の移動日と重なるため、日程が9月20日に変更されています。藤井三冠が相掛かりの研究手順を魅せ、終始攻め続けて勝利を収めています。
この日注目されたのは、3勝1敗同士の郷田真隆九段と千田翔太七段の対局です。先手の郷田九段が矢倉に誘導し、入城する前に3筋から仕掛けると、千田七段も7筋から反発し銀桂交換の駒得となります。郷田九段は2筋から反撃しますが、千田七段は下段飛車の横利きで先手の飛成を許さず、銀のタダ捨てから王手金取りを掛けて攻め立てます。郷田九段は2筋に"と金"を作りましたが、千田七段は先手の飛車を押し戻すと、そのまま即詰みに討ち取りました。
その他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
稲葉陽八段 - 阿久津主税八段
横山泰明七段 - 近藤誠也七段
屋敷伸之九段 - 久保利明九段
佐々木勇気七段 - 松尾歩八段
単独トップの佐々木(勇)七段が勝って5勝0敗となりました。千田七段と藤井三冠が4勝1敗で続いています。初のA級昇級を目指す3人が、このまま昇級争いをリードしていくのか注目されます。ベテランの久保九段と松尾八段が0勝4敗と苦しんでいますが、B級1組は総当たりの全12局で争われる長丁場ですので、巻き返しに期待したいと思います。
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