第82期順位戦C級2組10回戦
2月8,15日に順位戦C級2組10回戦の一斉対局がありました。
私が注目していたのは、7勝1敗で昇級圏内の高田明浩四段と、わかりやすい解説でお馴染みの遠山雄亮六段の対局です。先手の遠山六段が角換わりに誘導し、4筋から仕掛けて7筋の桂頭を狙うと、高田四段は自陣に角を打って桂頭を守り、先日の棋王戦第一局と同様の出だしとなります。遠山六段は後手の飛車を吊り上げて▲7一角と打ち込み、高田四段が△5六角と銀を食いちぎって攻め掛かると、▲5三角成と馬を作って上部脱出を図ります。高田四段が△6一桂と先手玉の上部を押さえつつ馬に当てると、遠山六段は馬を見捨てて入玉を目指します。高田四段は馬を取って△9三角と王手し、△5七角成と馬を作って即詰みに討ち取りました。
他の主な対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
佐々木大地七段 - 齊藤裕也四段
石田直裕五段 - 徳田拳士四段
本田奎六段 - 豊川孝弘七段
梶浦宏孝七段 - 藤森哲也五段
冨田誠也四段 - 田村康介七段
藤本渚四段 - 森下卓九段
昇級争いをリードしている冨田四段、高田四段、藤本四段の3人が揃って勝ち、8勝1敗となりました。梶浦七段、池永五段、八代七段ら6人が7勝2敗で追っています。2敗勢の中には1敗勢より順位が上の人も多く、最終局の結果次第では大きなドラマが生まれる可能性があります。
一方、12人に付与される降級点(*)争いは、残念ながら1勝以下の4人の降級点が決まりました。2勝の3人は順位が上なので、最終局に勝てば免れる可能性があります。3勝の9人とともに、力を出し切れるよう期待したいと思います。
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