第50期棋王戦挑決トーナメントでタイトル戦経験者が全滅
棋王戦は、挑決トーナメントのベスト4以上には敗者復活戦があるのが大きな特徴となっている棋戦です。今期のベスト4が出揃いましたが、タイトル戦経験者が続々と敗れ(私の予想を良い意味で裏切り)、かつてないフレッシュなメンバーの挑戦権争いとなっています。
増田康宏八段
2014年プロ入りの26歳です。順位戦は今年度からA級に参戦し、竜王戦では2組に在籍しています。かつて藤井棋王の「西の天才」に対して「東の天才」と称された俊英で、新人王戦で2連覇を果たしています。今期は木村九段、黒田五段、伊藤(匠)叡王、渡辺(明)九段を倒して勝ち上がっています。
澤田真吾七段
2009年プロ入りの32歳です。順位戦はB級1組、竜王戦は3組に在籍し来期は2組に昇級します。第58期王位戦挑戦者決定リーグで紅組優勝し、挑戦者決定戦に進出した経験があります。今期は山崎八段、斎藤(慎)八段、佐藤(康)九段、本田六段を降して勝ち上がっています。
近藤誠也七段
2015年プロ入りの28歳です。順位戦はB級1組、竜王戦は2組に在籍しています。第77期順位戦では、デビューから順位戦18連勝中だった当時七段の藤井棋王を破って連続昇級を阻止しています。今期は佐藤(天)九段、狩山四段、三浦九段を破って勝ち上がっています。
斎藤明日斗五段
2017年プロ入りの26歳です。順位戦はC級1組、竜王戦は5組に在籍しています。弟弟子の伊藤匠叡王に先を越されましたが、タイトル挑戦・奪取で追いつきたい想いは強いと思います。今期は佐々木(大)七段らを破って予選を突破し、挑決トーナメントでは糸谷八段、広瀬九段、羽生九段と強豪を撃破しています。
誰が挑戦権を獲得しても、自身初のタイトル挑戦になります。絶対王者の藤井棋王とは、もちろん初めての番勝負です。準決勝は増田八段vs澤田七段、近藤七段vs斎藤五段の対戦となりますが、前述の通り敗者復活戦もありますので、ワクワクした気持ちで見守りたいと思います。
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