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ABEMA地域対抗戦2025 予選Bリーグ1回戦第二試合
2月15日、ABEMA地域対抗戦2025の予選Bリーグ1回戦第二試合が放映されました。チーム北海道・東北とチーム関東Bの顔合わせとなっています。
第一ステージ
5人全員があらかじめ決めた順番に出場します。
先鋒:岡部怜央四段 vs 郷田真隆九段
振り駒で後手となった郷田九段が一手損角換わりを選択し、岡部四段は早繰り銀で応じて銀交換し、攻防に▲7五角と据えてから歩頭に▲5四銀と打って攻め掛かります。岡部四段は▲5三角成と金を食いちぎってから▲5九飛と回して後手玉を追い、▲5三飛成と竜を作ってから銀で桂を食いちぎって詰めろを掛けると、郷田九段は△4二銀と凌いで優勢となります。岡部四段は▲2四歩から攻めを繋いで勝勢となりますが、形勢が大きく揺れ動く大激戦となり、最後は入玉した自玉を攻め駒にした郷田九段が即詰みに討ち取りました。
チーム北海道・東北:0勝 - チーム関東B:1勝
次鋒:小山怜央四段 vs 伊藤匠叡王
先手の伊藤叡王が相掛かりに誘導し、お互いに飛先の歩を交換してから7筋の歩も取ると、小山四段は△7五銀と繰り出して再度8筋の歩を合わせます。伊藤叡王は角交換してから▲8八歩と受け、▲7一角から金を食いちぎって▲8七歩と銀を捕獲します。小山四段は香取りに△5五角と打ち、伊藤叡王が▲6六金と打って角を追うと、もう1枚の角で香を取って馬を作ります。伊藤叡王は▲3二飛成と金を食いちぎって▲5三桂成と飛び込み、小駒の攻めで寄せ切りました。
チーム北海道・東北:0勝 - チーム関東B:2勝
中堅:山川泰熙四段 vs 永瀬拓矢九段
先手の山川四段は矢倉を選択し、永瀬九段が金矢倉に組むと、土居矢倉に組みます。永瀬九段は飛車を6筋に回して歩を交換し、山川四段が8筋の歩を合わせると、銀交換してから△6六歩と叩いて金を吊り上げ、△2八銀と打ち込み桂を取ります。永瀬九段は△6六角と金を食いちぎり、山川四段が角の利きを活かして後手の歩頭に▲3四角と打ち込むと、△3一桂と打って辛抱します。山川四段は飛角交換して▲4一飛と打ち込み、▲3七飛と成銀を食いちぎって寄せ切りました。
チーム北海道・東北:1勝 - チーム関東B:2勝
副将:広瀬章人九段 vs 高見泰地七段
先手の高見七段が相掛かりに誘導し、▲4五銀と繰り出すと、広瀬九段は△3三金と受けます。高見七段は1筋から開戦し、取った香で金銀を田楽刺しにして攻めますが、角銀と金桂香の交換となり、広瀬九段が優勢となります。広瀬九段が△3九角と打ち込んで金を食いちぎり、王手飛車取りに△4七金と打って飛車を取ると、高見七段は▲4二角から馬を作って攻め合います。広瀬九段は△7八飛成と金を食いちぎって先手玉を詰ませにいきますが届かず、高見七段の逆転勝ちとなりました。
チーム北海道・東北:1勝 - チーム関東B:3勝
大将:屋敷伸之九段 vs 中村太地八段
先手の屋敷九段が角換わりに誘導し、相腰掛け銀の将棋となります。中村八段が飛車を6筋に回して銀交換すると、屋敷九段は▲5六角と打って飛車を追います。中村八段が△2七角と打ち込んで馬を作り、△7六馬の王手から先手玉に迫ると、屋敷九段は金取りに▲8三銀と打って攻め合います。屋敷九段は歩で馬を追いますが、馬で銀を取られて駒損となり、早めの投了を告げました。
チーム北海道・東北:1勝 - チーム関東B:4勝
第二ステージ
第一ステージの勝者による勝ち抜き戦です。
六局目:山川泰熙四段 vs 郷田真隆九段
先手の郷田九段が相掛かりに誘導し、飛先の歩を交換してから6筋の歩も取ります。山川四段は角を交換して△2八角と打ち込み、郷田九段が▲6六角と打ち返すと、銀を上がって1筋の香を守ってから△1九角成と香を取って馬を作ります。郷田九段は2筋に歩を合わせて飛車を2筋に回し、▲4四角と金を食いちぎって▲2三金と打ち込んで突破します。山川四段は△5四香~△7五馬と先手の玉頭を攻めますが、郷田九段は手堅く守ってから2枚の"と金"で後手陣を崩し、最後は▲6二飛のタダ捨てで寄せ切りました。
チーム北海道・東北:1勝 - チーム関東B:5勝
予選Bリーグ1回戦第二試合の結果
チーム関東Bは、郷田九段が好調の新鋭を激戦の末に降してチームに勢いを付けました。伊藤(匠)叡王が快勝して流れを掴むと、高見七段は粘り強く、中村七段は鋭い攻めで勝ち、層の厚さを見せつける第一ステージとなりました。第二ステージも郷田九段が貫録を示し、次戦以降に監督代行の永瀬九段が活躍すれば、優勝も見えてきそうです。
チーム北海道・東北は、初出場の山川四段が金星を挙げましたが、エースの広瀬九段が痛恨の逆転負けを喫して力尽きました。岡部四段はどちらが勝ってもおかしくない内容でしたし、若いメンバーが多いチームなので、きっかけを掴めれば予選突破への道も開けてくると思います。