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第80期順位戦C級1組9回戦

1月11日に順位戦C級1組9回戦の一斉対局がありました。

この日、私が注目していたのは、6勝1敗で昇級争いの先頭集団にいる出口若武五段と、前節に敗れて昇級争いから後退した青嶋未来六段との対局です。先手の青嶋六段が四間飛車に振り穴熊に囲うと、出口五段は左美濃に構えて7筋から仕掛けます。出口五段が飛車を7筋に寄せると青嶋六段も7筋に寄せ、角を隔てて向き合います。青嶋六段は飛車をぶつけますが、出口五段は飛交換を拒否し、お互いに大駒に成り込まれるのを防ぐ中盤戦となりました。青嶋六段は飛車で銀を食いちぎり、後手の玉頭から攻め掛かります。出口五段は2枚角と竜で反撃しますが先手の堅陣を崩せず、青嶋六段が寄せ切りました。

他の主な注目対局の結果は以下の通りです(左が勝者)。
 船江恒平六段 - 三枚堂達也七段
 及川拓馬七段 - 北島忠雄七段
 都成竜馬七段 - 平藤眞吾七段
 飯島栄治八段 - 黒田尭之五段
 大橋貴洸六段 - 野月浩貴八段

3枠の昇級争いは、及川七段と大橋六段が7勝1敗でリードし、6人が2敗で続いています。順位が上位の及川七段は残り2局で1勝すれば昇級が決まります。前期昇級したばかりの大橋六段は順位が低いため、昇級に向けては残り2局を連勝したいところです。2敗勢の中で順位が一番上の飯島八段が、昇級圏に入ってきました。上位の3人は次の10回戦で、いずれも好調の3敗勢との対局が組まれていますので、他の2敗勢にもまだまだチャンスは残されていると思います。
一方、7人に付けられる降級点(*)争いも熾烈になってきました。1敗の3人と2敗の4人が降級点圏内に入っています。特に既に降級点を1回取っている田村七段、森下九段、佐藤(秀)八段、豊川七段には、巻き返しを期待したいと思います。

(*)降級点  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
B級2組以下のクラスでは、成績が悪くても1期で降級することはなく、成績下位の一定人数に「降級点」がつけられる。降級点はB級2組とC級1組では2つ累積、C級2組では3つ累積すると降級する。

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