2021年度将棋大賞記録部門 12月末時点の状況
2021年度も残り3か月を切り、将棋大賞各部門の状況が気になってきました。今回は記録部門(対局数、勝数、勝率、連勝)の12月末時点の状況を確認しておきたいと思います。
■対局数
藤井竜王が55局でトップに立ち、2位の豊島九段に11局の差をつけています。豊島九段は、王位リーグや棋聖戦決勝トーナメントなどで追い上げそうですが、藤井竜王も王将戦七番勝負があり逆転は難しそうです。昨年度は永瀬王座が69局で1位に輝きましたが、連覇は厳しい状況です。
■勝数
藤井竜王が45勝で独走しています。昨年度は44勝で永瀬王座と1位を分け合いましたが、記録を伸ばして3年連続4回目の1位が濃厚です。2-3位に若手の伊藤(匠)四段と服部四段がつけており、2人がどこまで記録を伸ばすのか注目したいと思います。
■勝率
デビューしたばかりの狩山四段が2勝0敗で1位につけていますが、既定の対局数を満たすのは難しいと思われるので、実質的な1位は伊藤(匠)四段となります。実質2位の藤井竜王、実質3位の服部四段と僅差の争いになっており、3月末までデッドヒートが続く可能性があります。伊藤(匠)四段にとっては、上位者との対局が予想される王位リーグの戦いが鍵を握りそうです。藤井竜王には5年連続8割超えという前人未到の記録の更新が期待されます。
■連勝
藤井竜王が昨年度から今年度初めにかけて記録した19連勝が燦然と輝いています。藤井竜王自身が29連勝を記録して以降、19連勝を記録した棋士はなく、今年度中にこの記録を更新するのはかなり難しいと思われます。現在9連勝で継続中の佐々木(大)五段が、どこまで記録を伸ばせるのか注目したいと思います。