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第80期順位戦C級2組8回戦

12月9,16日に順位戦C級2組8回戦の対局がありました。このクラスは人数が多いためか、最終の11回戦を除き、2日に分けて行われています。

この中で私が注目していたのは、加古川青流戦で優勝した服部慎一郎四段と、今期から順位戦に参加している新鋭の井田明宏四段との対局です。先手の井田四段が角道を止め、相雁木の将棋となりました。井田四段が4筋から仕掛け、7,1,6筋に戦火を拡げます。服部四段が角を交換すると、井田四段は敵陣に角を打ち込み▲8三角成と馬を作ります。桂交換の後、井田四段が銀取りに▲4六桂と打つと、服部四段は手抜いて香取りに△4四角と打ち激しい攻め合いとなります。井田四段が取った銀で後手の角を捕獲すると、服部四段も銀2枚で先手の飛車を捕獲します。最後は服部四段が歩で先手陣を乱してから△4九飛成と竜を作って寄せ切りました。

他の主な注目対局の結果は以下の通りです(左が勝者)。
 梶浦宏孝七段 - 西川和宏六段
 佐々木大地五段 - 瀬川晶司六段
 池永天志五段 - 佐藤紳哉七段
 渡辺和史四段 - 八代弥七段
 本田奎五段 - 阿部光瑠六段
 西田拓也五段 - 南芳一九段
 伊藤匠四段 - 島朗九段
 高田明浩四段 - 長谷部浩平四段

私の注目する服部四段は、前回の朝日杯でベスト4に進出した西田五段とともに7勝0敗とトップを守りました。本田五段、伊藤四段ら4人が6勝1敗で追っています。佐々木五段、池永五段ら8人が2敗で追い、3枠しかない昇級に向け負けられない戦いが続いています。
一方、11人に付けられる降級点(*)もそろそろ気になってきました。既に2回の降級点を取っている、田中九段と中田八段が降級点圏内に入っています。前期王位戦で挑戦者決定リーグに進出した若手の長谷部四段も0勝7敗と苦しんでおり、残り3局での巻き返しに期待したいと思います。

(*)降級点  出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
B級2組以下のクラスでは、成績が悪くても1期で降級することはなく、成績下位の一定人数に「降級点」がつけられる。降級点はB級2組とC級1組では2つ累積、C級2組では3つ累積すると降級する。

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