第83期順位戦B級1組2回戦

7月11日、順位戦B級1組2回戦の一斉対局がありました（一部対局は延期）。

私が注目していたのは、ともに1回戦に勝った広瀬章人九段と近藤誠也七段の対局です。先手の近藤七段が矢倉を選択すると、広瀬九段は雁木調の駒組みを進めます。近藤七段は3筋から仕掛け、広瀬九段が5筋から反発すると、飛車を5筋に回して受けます。近藤七段が▲2四銀とぶつけて金と交換し、角取りに▲5五金と打つと、広瀬九段は角で金を食いちぎって角取りに△5七銀と打ち、銀取りに△5六金と打ちます。近藤七段は2筋の桂頭を叩いて▲2一歩成と桂を取り、広瀬九段が△5八歩と角頭を叩いて金銀交換すると、金取りに▲2二角と打ち込んで後手玉に迫ります。広瀬九段は△5八銀と打ち込んで飛車を取り、△2八飛と王手で打ち込んで竜を作りますが、近藤七段は▲5五角成と金を取って馬を作り、▲6四馬と王手飛車取りで飛車を取ります。広瀬九段は△6八桂成から先手玉に迫りますが届かず、近藤七段が即詰みに討ち取りました。

他の対局結果は以下の通りです（左が勝者）。
　斎藤慎太郎八段 － 石井健太郎七段
　糸谷哲郎八段 － 澤田真吾七段

下記対局は延期となっています。
　羽生善治九段 vs 大石直嗣七段
　佐藤康光九段 vs 三浦弘行九段
　山崎隆之八段 vs 高見泰地七段

6局中3局が延期となり、2局終えた中では近藤誠也七段が唯一人2連勝となりました。新型コロナが蔓延しているようですが、B級1組は長丁場ですので、体調に留意して熱戦を繰り広げて欲しいと思います。