第83期順位戦B級1組5回戦
9月5日、順位戦B級1組5回戦の一斉対局がありました。
私が注目していたのは、ともに1敗で好調の近藤誠也七段と高見泰地七段の対局です。先手の高見七段が相掛かりに誘導し、飛先の歩を交換して横歩も取ると、近藤七段は△3三金~△2四金と飛車を追います。高見七段が早くも▲3一飛成と銀を食いちぎり、1筋の歩を伸ばして▲1三歩成と飛び込むと、△3六歩と取り込んで桂頭を攻めます。高見七段が桂を取らせる代わりに▲2二角成と馬を作り、桂を取って▲6六桂と打って銀桂交換すると、近藤七段は△9九角成と香を取って馬を作ります。高見七段が馬と2枚の銀で後手玉に迫ると、近藤七段は玉を上部に脱出し、△9八飛から竜を作って入玉を目指します。高見七段は▲5四馬と金を食いちぎり、竜馬両取りに▲8八金と打って入玉を阻止しますが、近藤七段は△5七桂成から反撃に転じて寄せ切りました。
他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
広瀬章人九段 - 山崎隆之八段
佐藤康光九段 - 斎藤慎太郎八段
石井健太郎七段 - 羽生善治九段
大橋貴洸七段 - 三浦弘行九段
糸谷哲郎八段 - 大石直嗣七段
糸谷八段が4勝1敗で単独トップに立ち、近藤(誠)七段、石井七段が3勝1敗で追っています。斎藤(慎)八段、佐藤(康)九段、高見七段が3勝2敗、大橋七段が2勝2敗と、大混戦の状況が続いています。昇級を争うと思われた羽生九段と広瀬九段が2勝3敗と苦しんでいますが、順位が上のためまだまだチャンスは残っていると思います。
次の6回戦では、糸谷八段vs広瀬九段、斎藤(慎)八段vs高見七段、近藤(誠)七段vs佐藤(康)九段など、生き残りを懸けた対局が組まれており、楽しみにしたいと思います。