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「観る将」が観た第33期竜王戦挑戦者決定三番勝負第三局

9月19日に行われた竜王戦挑戦者決定三番勝負第三局の感想です。羽生九段がタイに持ち込んだ第二局から間隔が開きましたが、いよいよ本局の勝者が竜王挑戦者となります。

先手の羽生九段は、丸山九段の得意戦法である後手一手損角換わりを堂々と受けて立ちました。敗れた第一局でも丸山九段の研究手順に進み、残り時間に差をつけられて苦しめられましたが、本局でも敢えて相手の得意戦法を避けないところに、羽生九段の自信が感じられます。

羽生九段が▲3五歩から仕掛け飛車先の歩を交換すると、丸山九段も積極的に△2三金と受けます。丸山九段は△9二角と遠見の角を放って命運を託しましたが、羽生九段は▲5六歩~▲4七銀と受け止め優勢の局面を築きます。更に丸山九段が飛車角交換から△8八飛と打ち込んだのに対して、羽生九段が▲6八金~▲4七角と手堅く対処したのが決め手となり、飛車を捕獲した後も緩みなく寄せ切りました。

対局後のインタビューで羽生九段は「豊島竜王と七番勝負の場で対戦できるのは楽しみ」と語っていましたが、私たち将棋ファンにとっても羽生九段が100期目のタイトルに挑むシリーズはとても楽しみですね。両者が持ち味を出し切った素晴らしいタイトル戦になることを期待したいと思います。

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