第2期白玲戦女流順位戦の展望

西山朋佳女流四冠が初代白玲の座に就き、次期白玲挑戦者を決める女流順位戦が始まります。女流順位戦はA-D級の4クラスに分かれ、最上位のA級優勝者が白玲への挑戦権を獲得します。A級とB級は10名の総当たり、C級とD級は各8局で争われ、棋士の順位戦と同様、昇給と降級を巡る厳しい戦いとなります。あらためて各クラスのメンバーを確認しておきたいと思います。

A級

タイトル戦の常連となっている強豪や期待される新鋭が、栄えある初代A級の座を射止めています。
優勝候補は、やはり里見香奈女流四冠と思われます。第1期白玲戦では順位決定トーナメント準決勝で苦杯を喫しましたが、リーグ戦では抜群の安定感を誇る里見女流四冠の優位は動かせません。
前期七番勝負を戦った渡部愛女流三段、今期マイナビ女子オープン挑戦者の伊藤沙恵女流三段、今期清麗戦と倉敷藤花戦挑戦者の加藤桃子女流三段、今期女流王位戦挑戦者の山根ことみ女流二段らが、里見女流四冠を苦しめることができるか注目されます。
まだタイトル挑戦経験のない加藤圭女流二段、石本さくら女流二段、鈴木環那女流三段の活躍にも期待したいと思います。

B級

A級に名を連ねてもおかしくない強豪や、伸び盛りの若手精鋭が集まりました。
2名の昇級候補には、タイトル獲得経験のある香川愛生女流四段と上田初美女流四段を挙げておきたいと思います。実績もあり順位も上位に付けた千葉涼子女流四段や中村真梨花女流三段も侮れません。10代の中では最高位に就いた小髙佐季子女流初段や、20代前半の塚田恵梨花女流初段、武富礼衣女流初段の活躍にも注目したいと思います。

C級

3名の昇級候補には、実績のある室谷由紀女流三段と本田小百合女流三段、今期倉敷藤花で挑決まで勝ち上がった野原未蘭女流初段を挙げておきたいと思います。女流ABEMAトーナメントで指名された若手の和田あき女流初段、里見咲紀女流初段にも期待が掛かります。もっと上のクラスで戦って欲しかった、レジェンドの清水市代女流七段と矢内理絵子女流五段にも注目していきたいと思います。

D級

4名の昇級候補には、今期の女流王座戦と倉敷藤花戦でベスト4に進出している山口恵梨子女流二段、実績のある中村桃子女流二段とプロ入りしたばかりの新鋭内山あや女流２級と大島綾華女流１級を挙げておきたいと思います。伸び盛りの若手が多数在籍するこのクラスでは、急速に力を付けた新鋭が一気に昇級を果たす可能性もあり、誰が勝ち星を積み上げるのかとても楽しみです。