第83期順位戦C級1組8回戦
1月14日、C級1組8回戦の一斉対局がありました。
私が注目していたのは、単独トップに立っている斎藤明日斗五段と実力者船江恒平七段の対局です。先手の船江七段が矢倉を選択すると、斎藤五段は雁木で応じます。船江七段が3筋から仕掛け、飛先の歩を交換して銀に当てると、斎藤五段は4筋の歩を伸ばし、お互いに銀を取り合います。斎藤五段は角を交換してから飛車を2筋に転回し、船江七段が歩で飛成を防ぐと、飛車取りに△4七銀と打ちます。船江七段が銀取りに▲6九角と打って間接的に後手の飛車を睨むと、斎藤五段は飛車を取り合ってから金銀交換し、金取りに△6八飛と打ち込んで詰めろを掛けます。船江七段は▲3一飛と王手しますが、斎藤五段が玉を4筋に上がってかわすと王手が続かず投了を告げました。
他の主な対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
黒田尭之五段 - 都成竜馬七段
西田拓也五段 - 出口若武六段
冨田誠也五段 - 片上大輔七段
三枚堂達也七段 - 高田明浩五段
藤本渚五段 - 宮本広志五段
斎藤(明)五段が8勝0敗となり、2局を残してB級2組への昇級と六段への昇段を決めました。兄弟子の本田六段や弟弟子の伊藤(匠)叡王とともに、宮田門下の三羽烏として今後の飛躍が期待されます。
藤本五段が7勝1敗、井上九段や冨田五段ら5人が6勝2敗で残り2枠の昇級を争っています。私が注目している高田五段が5勝3敗、都成七段と出口六段が4勝4敗と後退しましたが、来期に向け残り2局も頑張って欲しいと思います。
一方、7人に降級点(*)が付く残留争いは、2勝6敗の4人と1勝7敗の3人が圏内となっています。既に1回降級点がついている千葉七段、金井六段、北島七段、真田八段には巻き返しを期待したいと思います。
次の9回戦では、斎藤(明)五段vs井上九段、藤本五段vs古森五段、黒田五段vs冨田五段の対局が組まれていますので、楽しみにしています。