藤井二冠のチームメイトは成績が上がる?
8月28日、ABEMAトーナメント本戦にチーム藤井「最年少+1」が出陣します。チーム藤井のメンバー3人は公式戦でも好調で、今年度の成績は3人とも8割越えです。
藤井聡太二冠 0.821(23勝-5敗)
高見泰地七段 0.857(6勝-1敗)
伊藤匠四段 0.810(17勝4敗)
下のランキング表は日本将棋連盟HPからの引用*ですが、5局以上の対局がある棋士で8割以上の成績を残しているのは全体でも5人しかいない中、この成績は突出していると言えるでしょう。
*2021年8月27日対局分まで(未放映のテレビ対局を除く)
実は昨年もAbemaTVトーナメントで藤井二冠とチームメイトだった3人は、揃って順位戦で昇級を果たしています。
永瀬拓矢王座 B級1組(9勝3敗) → A級
藤井聡太二冠 B級2組(10勝0敗) → B級1組
増田康宏六段 C級1組(9勝1敗) → B級2組
順位戦は棋士のステータスともなる戦いで、全棋士が全力で勝ちに行く棋戦なので、実力があっても昇級するのは容易ではありません。藤井二冠自身はともかく、「鬼のすみか」とも言われるB級1組を勝ち上がった永瀬王座、37人が参加するC級1組を勝ち上がった増田六段の成績は、単なる偶然とはとても思えません。
昨年は、永瀬王座がリーダーとして藤井二冠と増田六段を指名しており、藤井二冠の人選ではありません。つまり、藤井二冠が好調の人を見抜く力があるということではなさそうです。私が思うには、藤井二冠と団体戦のチームメイトとして同じ時間を過ごすことで、将棋に対する姿勢とか考え方で何かインスパイアされるものがあるような気がするのです。
今の将棋界は四強時代と言われていますが、近い将来藤井二冠の一強時代になると言われています。棋聖と王位を防衛した藤井二冠は、奪取まであと1勝となっている叡王戦や、これから行われる竜王戦や王将戦・棋王戦の結果によっては、今年度中に六冠まで獲得する可能性があります。藤井時代が着実に近づいていることは、多くの人が感じていることだと思います。今藤井二冠の前に立ちはだかるのは一回り以上年上の先輩棋士たちですが、今後の将棋界を発展させるためにはもっと若い世代、特に伊藤匠四段のように年齢の近い棋士の中に藤井二冠のライバルと呼べる存在が必要です。かつての羽生世代のように、お互いに切磋琢磨してこそ藤井二冠も輝きます。ABEMAトーナメントがそんな機会の一助になってくれればいいな、なんてことをぼんやり思いながら観戦しています。
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