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「観る将」が観た第46期女流王将戦三番勝負第一局

10月5日、霧島酒造杯第46期女流王将戦三番勝負が、恒例となっている宮崎県都城市の霧島創業記念館「吉助」で開幕しました。西山朋佳女流王将に挑戦するのは、福間香奈女流五冠です。

西山女流王将は前期、香川愛生女流四段の挑戦を2勝0敗で退け、通算4期の獲得となりました。今期はクイーン王将の称号を懸けた三番勝負となります。

福間女流五冠は女流王将を通算8期獲得しており、既にクイーン王将の称号を得ています。今期は和田(あ)女流二段、内山女流初段、渡部女流三段、伊藤(沙)女流四段を降して挑戦権を獲得しています。

本シリーズも福間女流五冠の妊娠に配慮し、白玲戦と同様テーブルと椅子での対局となっています。コロナ明けで体調が心配される西山女流王将も、本シリーズでは和服を着用せずに臨んでいます。


四間飛車対向かい飛車

振り駒で先手となった西山女流王将が四間飛車に振ると、福間女流五冠は角頭の歩を伸ばして向かい飛車に振ります。西山女流王将が9筋の位を取って右矢倉に入城すると、福間女流五冠は3筋の歩を交換します。西山女流王将は角を交換し、福間女流五冠が美濃囲いに構えると、▲6六角と打ち直します。

西山女流王将の端攻め

福間女流五冠が△3四飛と寄せると、西山女流王将は▲8五桂~▲9三桂成と飛び込みます。福間女流五冠が玉で取ると、西山女流王将は9筋の歩を伸ばして玉を追い、▲9三歩成と成り捨てて桂で取らせ、▲9四歩と打って桂を取り返します。

福間女流五冠の玉頭攻め

福間女流五冠は3筋に歩を合わせて銀をぶつけ、西山女流王将が同銀と応じると、銀取りに△2四桂と打ちます。西山女流王将は▲4八桂と打ち、福間女流五冠が銀桂交換してから△3七歩と金頭を叩くと、同桂と応じます。福間女流五冠が桂を取り返しに△3五歩と打つと、西山女流王将は▲2三銀~▲5五歩と飛車を追い、取られそうな桂を金取りに▲4四桂と跳ねて後手陣を乱します。形勢はわずかに西山女流王将に傾き始めたようです。

痛烈な桂打ち

西山女流王将が▲8四歩と取り込み、▲9五桂~▲8三歩成と飛び込んで銀桂交換し、飛車取りに▲7五角と覗くと、福間女流五冠は△5五飛と走ります。西山女流王将は▲6四歩と伸ばして"と金"作りを目指しますが、福間女流五冠は構わず△3六桂と王手し、飛車取りに△7七角と打って挟撃態勢を作ります。形勢は一気に福間女流五冠に傾いたようです。

西山女流王将の反撃

西山女流王将は▲8四歩と王手し、福間女流五冠が△7四玉とかわすと、▲5六歩と飛頭を叩きます。福間女流五冠は手抜いて△6八角成と飛角交換してから△5九飛と王手で打ち込み、西山女流王将が銀で合い駒すると、△7五飛と角と刺し違えてから△6四玉と"と金"の種を刈り取ります。西山女流王将が▲5八飛と自陣に打って粘ると、福間女流五冠は飛交換してから△6九飛と打ち直します。西山女流王将は▲6五歩と王手しますが、福間女流五冠が△5三玉と引いてかわすと後手玉には詰みがなく、潔く投了を告げました。

まとめ

本局は西山女流王将が端攻めでポイントを挙げ、福間女流五冠の玉頭攻めを凌いで優勢となりました。福間女流五冠は一瞬の隙を突いた桂打ちで形勢を入れ替え、西山女流王将の反撃をかわして逃げ切りました。
福間女流五冠は先勝して奪取まであと1勝となりましたが、次局も両者が万全の体調で臨み、熱戦となることを期待したいと思います。

霧島酒造杯女流王将戦は、株式会社 囲碁将棋チャンネルが主催し、霧島酒造株式会社が協賛しています。棋譜等は下記サイトをご覧ください。


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