第81期順位戦B級2組7回戦
12月14日に順位戦B級2組7回戦の一斉対局が行われました。
この日、私が注目していたのは、好調のベテラン同士の対決となった、5勝1敗の木村一基九段と4勝2敗の藤井猛九段の対局です。後手の藤井九段が四間飛車に振り美濃囲いに構えると、木村九段は▲5五角と飛び出し後手に高美濃を組ませてから3筋の歩をぶつけます。藤井九段は5筋の歩を突いて角を追い返し、4筋の歩を突いて銀を引かせてから角を交換します。木村九段が飛車で3筋の歩を取り、▲7七角と打った角で銀を食いちぎり、飛車を飛び込ませて竜を作ると、藤井九段も香を取って馬を作ります。木村九段は桂で後手陣の金を剥がし、9筋を端攻めして制圧します。藤井九段は馬角桂で先手陣に攻め掛かりますが、木村九段は▲7三歩と叩き、桂で取らせて▲9三金とねじ込みます。木村九段は9筋の駒を清算して後手玉を吊り上げ寄せ切りました。
他の主な注目対局の結果は以下の通りです(左が勝者)。
増田康宏六段 - 阿部隆九段
髙見泰地七段 - 杉本昌隆八段
行方尚史九段 - 深浦康市九段
大橋貴洸六段 - 畠山鎮八段
昇級争いの単独トップに立っている大橋六段が勝って7勝0敗となり、木村九段、増田(康)六段ら3人が6勝1敗で追っています。2敗も既に1人となっており、3敗勢の中でも順位が上の人には3人に与えられる昇級のチャンスが回ってくるかもしれません。
一方、下位6人に付与される降級点(*)争いは、2勝以下が7人となっており、前期は昇級争いに加わった鈴木大介九段らが圏内に沈んでいます。
B級2組は残り3局となり、昇級・降級点争いに向け負けられない戦いが続いています。