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第83期順位戦B級1組10回戦

12月12日、順位戦B級1組10回戦の一斉対局がありました。

私が注目していたのは、7勝1敗で昇級争いをリードする近藤誠也七段と、4勝4敗で追う大橋貴洸七段の対局です。近藤七段の先手で始まった対局は、横歩取りの激しい戦いとなり千日手が成立します。指し直し局は先手の大橋七段が角換わりに誘導し、相腰掛け銀の将棋となります。大橋七段が4筋から仕掛けると、近藤七段は6筋から反発し、△5八角と打ち込んで馬を作ります。大橋七段が2筋の飛車を走って桂取りに▲2二歩と打つと、近藤七段は構わず9筋を詰め、△6五銀とぶつけます。大橋七段は馬銀両取りに▲3四飛と寄り、近藤七段が△5四馬とかわしつつ銀に紐を付けると、角を合わせて馬を消します。近藤七段が飛車取りに△6九角と打ち、金を食いちぎってから銀交換して△5八銀と打ち込んで先手玉を追い詰めると、大橋七段は▲4三歩と玉頭を叩いて連続王手で迫りますが届きません。近藤七段は△8七飛成と王手で竜を作って即詰みに討ち取りました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 三浦弘行九段 - 広瀬章人九段
 斎藤慎太郎八段 - 澤田真吾七段
 糸谷哲郎八段 - 佐藤康光九段
 山崎隆之八段 - 大石直嗣七段
 石井健太郎七段 - 高見泰地七段

単独トップに立つ近藤(誠)七段が勝って8勝1敗、糸谷八段も勝って8勝2敗となり、早くも2枠しかない昇級争いは5勝4敗で順位が上の斎藤(慎)八段を含む3人に絞られています。近藤(誠)七段と糸谷八段は、あと1勝するか斎藤(慎)八段が1敗すると、A級への昇級が決まります。
次の11回戦では近藤(誠)七段が澤田七段と、糸谷八段が三浦九段との対局が組まれており、注目していきたいと思います。


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