第82期順位戦C級2組7回戦
11月9,16日に順位戦C級2組7回戦の一斉対局がありました。
私が注目していたのは、今期5勝0敗の冨田誠也四段と4勝1敗の梶浦宏孝七段の好調同士の対局です。先手の冨田四段が四間飛車に振り美濃囲いに構えると、梶浦七段は△8四角と覗いて先手の駒組みを牽制します。冨田四段は5筋の歩をぶつけ、梶浦七段が8筋の歩を突き捨ててから5筋の歩を交換すると、飛車取りに▲5五角と飛び出します。梶浦七段は飛車を走ってから角成を防ぐと、冨田四段は角を交換して▲7七角と打ち直し、3筋の桂頭を攻めます。梶浦七段は△7九角と打って先手の飛車を押さえ込み、角取りに△5四飛と転回しますが、冨田四段は▲6七金と寄って飛車の利きを通して飛角交換に成功します。冨田四段は1筋から端攻めし、梶浦七段が"と金"を作って金を剥がしますが、構わず▲1二飛と打ち込んで即詰みに討ち取りました。
他の主な対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
佐々木大地七段 - 高野智史六段
徳田拳士四段 - 小林裕士七段
本田奎六段 - 渡辺大夢六段
八代弥七段 - 瀬川晶司六段
高田明浩四段 - 佐藤慎一五段
藤本渚四段 - 長沼洋八段
冨田四段が6勝0敗で単独トップに立ち、私が注目している佐々木(大)七段、徳田四段、高田四段、藤本四段を含め、8人が5勝1敗で追っています。順位戦も後半戦に突入し、昇級に向け負けられない戦いが続いています。