第81期順位戦B級2組6回戦
11月16日に順位戦B級2組6回戦の一斉対局が行われました。
この日、私が注目していたのは、5勝0敗と好調の大橋貴洸六段と、実力者の松尾歩八段の対局です。先手の松尾八段が角換わりに誘導しますが、大橋六段は角を交換せず飛先の歩交換を許し、雁木風に構えます。大橋六段は7筋から仕掛けて棒銀で8筋を制圧しますが、松尾八段は3-4筋から反発し角を交換します。大橋六段が△4五桂~△4六角と攻め掛かると、松尾八段は角で香を取らせる代わりに銀で桂を取り優勢の局面を築きます。大橋六段が馬と香で先手玉に攻め掛かり、△8八銀と打って挟撃態勢を作って形勢を入れ替えると、松尾八段もタダ捨ての▲5二銀から攻め掛かり、角で金を食いちぎって後手玉に迫ります。一瞬AIは後手玉に49手詰め(!)が生じたことを示しますが、持ち時間の少ない松尾八段が発見できる手順ではなく、大橋六段が逃げ切って勝利を収めました。
他の主な注目対局の結果は以下の通りです(左が勝者)。
木村一基九段 - 谷川浩司十七世名人
増田康宏六段 - 畠山鎮八段
中村修九段 - 髙見泰地七段
深浦康市九段 - 藤井猛九段
昇級争いの単独トップに立っている大橋六段が勝って6勝0敗となり、木村九段、増田(康)六段ら3人が5勝1敗で追っています。藤井(猛)九段は2敗目を喫して一歩後退です。順位戦も後半戦に突入し、昇級に向け負けられない戦いが続いています。
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