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「観る将」が観た第68期王座戦第一局

9月3日に行われた王座戦第一局の感想です。既に両者が前哨戦ともいうべき対局を2局指していることは投稿しましたが、久保九段が選択した戦型は、王将戦二次予選では角交換からの向かい飛車、日本シリーズではゴキゲン中飛車でした。本シリーズの注目は、やはり久保九段がどこに飛車を振るかという点に尽きると思います。

振り駒の結果永瀬王座が先手となり、後手の久保九段は四間飛車を選択しました。やはり今の久保九段のエース戦型は、挑決の渡辺二冠(当時)戦でも採用した四間飛車なのかもしれません。永瀬王座が居飛車穴熊に構え、さらに鉄壁の銀冠穴熊に組み替えると、久保九段は最近流行の△8二銀~△8一玉とミレニアム的に囲ってから銀冠に組み替えます。千日手含みの長い駒組みが続いた後、永瀬王座が相手の歩頭に金を進める▲6五金と仕掛け、やや優勢の局面を築きました。中盤もお互い相手に決定打を与えない小競り合いが続きましたが、最後は永瀬王座が▲5一龍~▲9一金と敵陣の底を食い破り、端攻めも交えて討ち取りました。

本局は、久保九段にチャンスらしいチャンスがまったくなく、永瀬王座の完勝に見えました。次局までの間隔は短いですが、先手となる久保九段がどのような工夫を見せるか期待したいと思います。

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