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「観る将」が観た第43期女流王将戦第二局

10月19日、第43期霧島酒造杯女流王将戦三番勝負第二局が東京の将棋会館で行われました。西山朋佳女流王将は16日に行われた白玲戦第四局を制して初代白玲の座に就き、自身最多の女流四冠となりました。女流王将戦は初戦を落としてカド番となっており、「文字通り三日天下にならないように頑張りたい」と話しています。里見香奈女流四冠としては、タイトル数で並ばれた西山女流王将からタイトルを奪取することで、再び女流No.1の座を確固たるものにしたいところです。

先手の里見女流四冠が初手▲5六歩から中飛車に振ると、西山女流王将も4手目に△3二飛と三間飛車に振り、第一局に続いて相振り飛車の将棋となりました。里見女流四冠が飛車を8筋に振り直すと、西山女流王将も角交換後に飛車を2筋に振り直します。お互いに飛先の歩を交換した後、西山女流王将は△4四角と打って1筋からの端攻めを狙います。里見女流四冠は守りの金を前進させて角道を止め、敵陣に角を打ち込み▲1一角成と馬を作ります。

先手の玉頭で激しい戦いとなり、先手の金銀と後手の飛桂の交換となりました。里見女流四冠は玉を左辺に逃がしますが、西山女流王将の△7八金が逃走路を塞ぎつつ飛車取りの強烈な一撃となりました。最後は△6五桂と上部から先手玉に殺到した西山女流王将が、緩みなく寄せ切りました。

本局は、西山女流王将が四冠となって初めての対局でしたが、終始思い切り良く攻めての快勝となりました。最終局にも勝って防衛を果たし四冠を維持できるのか、里見女流四冠が勝って五冠に返り咲くのか、四冠同士の熱い戦いを期待したいと思います。

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