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第83期順位戦B級1組7回戦
10月17日、順位戦B級1組7回戦の一斉対局がありました。
私が注目していたのは、4勝1敗と好調の近藤誠也七段と、2勝4敗と苦しんでいる羽生善治九段の対局です。先手の羽生九段が矢倉を選択すると、近藤七段は雁木に構え、8筋を継ぎ歩で攻めて制圧します。羽生九段は右銀を繰り出して金銀交換し、更に角金交換して駒得となりますが、近藤七段も△5七銀と放り込み、角銀交換して駒損を回復します。近藤七段が△3八角と打ち込んで馬を作ると、羽生九段も▲5五角~▲7三角成と桂を取って馬を作って攻め合います。近藤七段は"と金"で先手陣の金を剥がし、△7八銀のタダ捨てから△8七金と歩頭に打って寄せ切りました。
他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
広瀬章人九段 - 石井健太郎七段
澤田真吾七段 - 三浦弘行九段
高見泰地七段 - 大橋貴洸七段
糸谷哲郎八段 - 山崎隆之八段
佐藤康光九段 - 大石直嗣七段
糸谷八段が勝って6勝1敗、近藤(誠)七段が5勝1敗で昇級争いをリードしています。抜け番だった斎藤(慎)八段が唯一人4勝2敗で追っています。斎藤(慎)八段は次の8回戦で糸谷八段、9回戦で近藤(誠)七段との対局が組まれており、自力でトップに立つ可能性があります。注目の羽生九段は2勝5敗と降級圏に沈んでいますが、次局以降の巻き返しに期待したいと思います。