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第83期順位戦C級2組8回戦

1月9,16日に順位戦C級2組8回戦の一斉対局がありました。

私が注目していたのは、6勝1敗でトップを並走する梶浦宏孝七段と2敗で追う高野智史六段の対局です。先手の高野六段が角換わりに誘導し、相腰掛け銀の将棋となります。高野六段は飛先の歩を交換してから4筋の歩を交換して桂を跳ね、梶浦七段が歩で桂を取りに行くと、桂を取らせる代わりに銀を繰り出し、▲1七角と遠見の角を放ちます。梶浦七段は△7二玉と角のラインから外し、高野六段が銀取りに▲4四歩と打って攻め掛かると、△8六桂と歩頭に捨てて反撃します。高野六段は銀で歩を食いちぎり、▲6七金と飛車に当て、梶浦七段が△5六角と金の利きに打って飛車に当てると、飛車を取って▲8四桂と王手し、▲5二銀と銀を取って詰めろを掛けます。梶浦七段は銀を打って詰めろを逃れ、馬と飛車で先手玉に迫りますが届かず、高野六段が寄せ切りました。

他の主な対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 小山直希四段 - 八代弥七段
 岡部怜央四段 - 佐藤慎一六段
 池永天志六段 - 牧野光則六段
 佐々木大地七段 - 西川和宏六段
 今泉健司五段 - 徳田拳士四段
 本田奎六段 - 長岡裕也六段
 上野裕寿四段 - 田中悠一六段

私が注目する池永六段、上野四段を含む5人が7勝1敗でトップを並走する大混戦が続いています。梶浦七段は一歩後退し、岡部四段や佐々木(大)七段らと並び7人が6勝2敗で追っています。
一方、12人に降級点(*)が付く残留争いは、2勝以下が13人、3勝5敗が11人と混戦になっています。既に降級点2回の安用寺七段、降級点1回の小林(裕)八段、井出五段、遠山六段、高野(秀)六段が圏内に沈んでおり、巻き返しに期待したいと思います。
次の9回戦では、1敗同士で池永六段vs狩山五段の対局が組まれており、注目していきたいと思います。

(*)降級点
B級2組以下のクラスでは、成績が悪くても1期で降級することはなく、成績下位の一定人数に「降級点」がつけられる。降級点はB級2組とC級1組では2つ累積、C級2組では3つ累積すると降級する。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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