西山女流三冠が女性初の朝日杯一次予選突破!
第17回朝日杯将棋オープン戦の一次予選が着々と進行していますが、10月4日に西山朋佳女流三冠が準決勝・決勝と連勝し、女性として初めて一次予選を突破する快挙を成し遂げました。
朝日杯の一次予選は、シードを除く全棋士、アマチュア10人、女流棋士3人によるトーナメントです。西山女流三冠は1回戦で堀口八段、2回戦で谷合四段を破って準決勝に駒を進めました。
準決勝の相手は、2年連続で将棋大賞連勝賞を獲得し、腰の重い受けに定評のある渡辺和史六段です。
先手の西山女流三冠が三間飛車に振り美濃囲いに構えると、渡辺六段は飛車を7筋に寄せて仕掛けます。西山女流三冠は角銀交換から飛車の捌きを図りますが、渡辺六段が先に竜を作ります。角を打って金銀との2枚替えを狙えば勝勢という局面になりましたが、既に秒読みとなっていた渡辺六段は△7四竜と自陣に引き付けて受けに回ったため、形勢は互角に戻ります。西山女流三冠も竜を作ると、後手玉の横と上から攻め掛かかり、徐々にリードを奪います。渡辺六段は馬や竜を自陣に利かせて粘りましたが、西山女流三冠は▲5三桂成から鮮やかな即詰みに討ち取りました。
決勝の相手は、棋聖戦と王位戦のダブルタイトル戦に挑んだ、今年度好調の佐々木大地七段です。
後手の西山女流三冠が三間飛車に振り美濃囲いに構えると、佐々木七段は天守閣美濃に構えて4筋から仕掛けます。西山女流三冠は飛車を4筋に寄せて受け、角と刺し違えて△2八角から馬を作ります。佐々木七段は9筋から端攻めし、西山女流三冠が△9四香と打って受け止めると、飛車を7筋に回して後手玉の玉頭から攻め掛かります。西山女流三冠は馬の利きで玉頭を凌ぐと徐々にリードを奪い、竜の利きに△5六馬と差し出し、代わりに飛車を取って玉頭から反撃します。最後は押さえ込まれていた角で桂を食いちぎり、△8五桂打から受けなしに追い込む快勝となりました。
まだ二次予選の組み合わせは発表されていませんが、2勝すれば本戦への出場となります。二次予選の相手はシードされた棋士となりますが、今やトップ棋士の仲間入りを果たした若手強豪を撃破した西山女流三冠には本戦出場を期待したいと思います。
本稿は「朝日杯将棋オープン戦における棋譜利用ガイドライン」(https://www.shogi.or.jp/kifuguideline/terms.html#asahi_cup)に従っています。
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