第83期順位戦B級1組11回戦
1月16日、順位戦B級1組11回戦の一斉対局がありました。
私が注目していたのは、昇級まであと1勝となった近藤誠也七段と、残留を確定させたい澤田真吾七段の対局です。先手の澤田七段が角換わりに誘導すると、近藤七段は6筋の位を取ります。澤田七段は6筋の歩を交換して銀を繰り出し、近藤七段が△4四角と据えて銀を追い返すと、▲6五桂とぶつけて桂交換し、▲6六桂と打って両取りを狙います。近藤七段は銀取りに△5五桂と打ち返し、澤田七段が▲5四桂と跳ねて銀桂交換すると、更に△5四桂と打ってから△6七桂成と銀桂交換します。澤田七段は▲8二歩と飛頭を叩いて飛車を8筋に回し、近藤七段が7筋の歩を伸ばして攻め掛かると、8筋に竜を作って攻め合います。近藤七段は飛車を見捨てて先手玉追い詰めましたが届かず、澤田七段は▲2一竜と桂を食いちぎって即詰みに討ち取りました。
他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
広瀬章人九段 - 羽生善治九段
大石直嗣七段 - 斎藤慎太郎八段
大橋貴洸七段 - 佐藤康光九段
糸谷哲郎八段 - 三浦弘行九段
石井健太郎七段 - 山崎隆之八段
近藤(誠)七段が敗れたものの8勝2敗、糸谷八段も勝って8勝2敗となり、斎藤(慎)八段が敗れたため早くもA級への昇級が決まりました。近藤(誠)七段は昇級により八段への昇段も決めています。
一方、3人が降級する残留争いは、残念ながら2勝8敗の山崎八段の降級が決まりました。残り2枠は3勝7敗の三浦九段、4勝6敗の羽生九段や大石七段が争っており、残留に向けて負けられない戦いが続きます。
次の12回戦では、大混戦となっている来期の順位争いに注目したいと思います。