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将棋界の2021年女流タイトル戦を総括

2021年も年末となりましたので、将棋界の8つの女流タイトル戦を総括してみたいと思います。
※本稿ではタイトル称号では混乱するので、呼称は「さん」付けとさせていただきます。

2021女流タイトル戦

昨年は7つのタイトルを里見さんと西山さんが分け合う二強時代と言われました。今年新設された白玲を西山さんが戴冠した際には、両者とも女流四冠となり、二強時代が確固たるものになることを感じさせました。しかし里見さんが秋の4タイトル戦を並行して戦った結果、上図の通り勢力図に大きな変化が見られました。

里見さんは女流王将戦と女流王座戦で西山さんからタイトルを奪還し、女流五冠に復帰しました。西山さんは二冠に後退しましたが、今年度から女流棋士に転向して従来参加できなかった女流棋戦の予選に参加していますので、来年は巻き返しが期待されます。特筆すべきは、加藤(桃)さんが清麗戦で里見さんから奪取し、久し振りに二強の一角を崩した点かと思います。奨励会で鎬を削った伊藤さんも、女子オープンでは敗れはしたものの西山さんとフルセットの熱戦を展開し、年明けには女流名人戦で里見さんに挑戦します。

来年も奨励会を経験した上記4人を中心にタイトル争いが行われると思いますが、今年は若手女流棋士の飛躍も感じさせました。女流王位戦で里見さんに挑戦した山根さん、倉敷藤花戦で挑決まで進出した野原さんら20歳前後の女流棋士たちもタイトルに絡める力を証明しました。各棋戦で上位に進出している石本さんや塚田さんらも含め、若手新鋭の躍進にも期待したいと思います。

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