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第82期順位戦A級8回戦

1月31日に順位戦A級8回戦の一斉対局がありました。

私が注目していたのは、挑戦権争いのトップを走る豊島将之九段と斎藤慎太郎八段の対局です。先手の豊島九段が矢倉に組み、飛先の歩を交換します。斎藤八段が地下鉄飛車を通して2筋に転回すると、豊島九段は4筋から仕掛けて桂を交換します。豊島九段は1筋の香を吊り上げ、▲2六桂と打って香を取りますが、斎藤八段も角の利きを通して香を取り返し、更に△1四銀と桂も取ります。斎藤八段が先手の玉頭から攻め掛かると、豊島九段は"と金"を2枚作って後手玉を追います。AIの評価値が二転三転する難解な終盤戦となりましたが、最後は斎藤八段が即詰みに討ち取りました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 中村太地八段 - 渡辺明九段
 広瀬章人九段 - 稲葉陽八段
 永瀬拓矢九段 - 佐々木勇気八段
 佐藤天彦九段 - 菅井竜也八段

挑戦権争いをリードしてきた豊島九段と菅井八段が、前節に続いて揃って敗れるという衝撃の展開となりました。豊島九段が6勝2敗でトップを守り、永瀬九段と菅井八段が5勝3敗で追っています。次の最終9回戦では、豊島九段vs菅井八段の対局が組まれていますので、豊島九段が勝てば挑戦権獲得、菅井八段が勝てばプレーオフ(永瀬九段も勝てば3者でのプレーオフ)となります。
2人が陥落する残留争いも、3勝5敗の広瀬八段、斎藤(慎)八段、稲葉八段、佐々木(勇)八段と、4勝4敗の佐藤(天)九段と中村(太)八段の、6人に陥落の可能性が残る大混戦となっています。
2月29日に行われる最終9回戦の一斉対局は「将棋界の一番長い日」とも形容されますが、文字通り過酷な戦いが繰り広げられることになりそうです。


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