第81期順位戦C級2組5回戦
10月13日、20日に順位戦C級2組5回戦の対局が行われました。
この中で私が注目していたのは、若手実力者同士の黒沢怜生六段と本田奎五段の対局です。後手の黒沢六段が9筋の歩を伸ばし、△9二飛~△9四飛と浮き飛車に構える珍しい作戦を採用します。本田五段は金銀を前進して飛車を押さえ込み、飛金交換に成功します。黒沢六段は金銀が上ずった先手陣を攻め、挟撃態勢を作ります。本田五段は歩で美濃囲いを乱してから後手陣に飛車を打ち込み、馬を作って反撃しますが届きません。黒沢六段は角の睨みを利かせた小駒の攻めで先手玉を追い詰め、最後は角で食いちぎった桂を△2六桂と打って寄せ切りました。
他の主な注目対局の結果は以下の通りです(左が勝者)。
服部慎一郎五段 - 岡部怜央四段
長谷部浩平五段 - 梶浦宏孝七段
佐々木大地七段 - 遠山雄亮六段
池永天志五段 - 中村亮介六段
森下卓九段 - 八代弥七段
古賀悠聖四段 - 山本博志四段
私が注目している中では、服部五段(10月1日付で昇段)と古賀四段が5連勝となり、佐々木(大)七段、池永五段が4勝1敗で追っています。現時点で4勝以上が14人おり、本田五段、梶浦七段、八代七段は2敗目を喫して苦しくなりました。里見女流六冠の棋士編入試験で試験官を務めた徳田四段と狩山四段は4勝1敗と好調ですが、岡部四段は2勝3敗と苦しんでいます。順位戦もそろそろ折り返し点となり、負けられない戦いが続いています。
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