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将棋界の2022年女流タイトル戦を総括
年が明けてからだいぶ経ってしまいましたが、2022年における将棋界の8つの女流タイトル戦を総括してみたいと思います。
※本稿ではタイトル称号では混乱するので、棋士の呼称は「さん」付けとさせていただきます。
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2022年は里見さんがすべての女流タイトル戦に登場し、防衛3タイトル、奪取2タイトルで五冠を維持しました。特に白玲と清麗のビッグタイトルを手にしたことが目を引きます。5つのタイトル戦で西山さんと顔を合わせて3勝2敗という結果を残し、第一人者としての貫録を示したと言えると思います。2023年は里見さんが女流名人と女王の挑戦権を失っており、西山さんが戴冠数を増やすのか、里見さんが踏みとどまるのか、注目していきたいと思います。
2022年の女流タイトル戦の話題の一つに、伊藤さんの初戴冠がありました。現在西山さんの挑戦を受けていますが、虎の子のタイトルを死守することができるのか、西山さんが奪取して再び二強時代に戻るのかも注目されます。清麗を失冠した加藤(桃)さんとともに、二強時代に風穴を開ける存在として飛躍して欲しいと思っています。また2022年はこの4人以外のタイトル戦登場はありませんでしたが、成長著しい10代から20代前半の女流棋士の中からも、二強に食い下がる若手が出てきて欲しいと期待しています。