第83期順位戦C級2組4回戦
9月5,12日に順位戦C級2組4回戦の一斉対局がありました。
私が注目していたのは、ともに既に1敗し昇級に向け負けられない佐々木大地七段と岡部怜央四段の対局です。先手の岡部四段が角換わりに誘導し、相腰掛け銀の将棋となります。岡部四段が3,1,2筋の歩を突き捨てて飛車を走ると、佐々木七段は8筋の歩を突き捨ててから玉頭を叩いて金を上ずらせます。岡部四段は9筋に"と金"を作って後手の飛車を2筋に追ってから香を補充し、佐々木七段が△2九歩成と"と金"を作って飛車に当てると、▲2七香と打って飛車を取り合います。佐々木七段が△2八飛と打ち込んで竜を自陣に引き付け、金取りに△5九角と打ち込むと、岡部四段は▲6二飛と打ち込んで竜を作り、竜取りに▲2三銀と打ちます。この銀を取ると後手玉は詰むので、佐々木七段は竜を取らせる代わりに玉の上部脱出を図ります。岡部四段は2枚竜と馬で後手陣の金駒を拾い、最後は馬を切って入玉した後手玉を寄せ切りました。
他の主な対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
梶浦宏孝七段 - 井出隼平五段
八代弥七段 - 山川泰熙四段
池永天志六段 - 佐藤慎一六段
山本博志五段 - 徳田拳士四段
島朗九段 - 本田奎六段
上野裕寿四段 - 渡辺大夢六段
私が注目している八代七段が山本五段と並んで4勝0敗と昇級争いをリードし、梶浦七段、岡部四段、池永六段、上野四段ら16人が3勝1敗で追っています。2敗となった佐々木(大)七段、徳田四段、本田六段は、昇級に向けて厳しい状況となりましたが、来期も見据えて次局以降の巻き返しを期待します。次の5回戦では、八代七段vs上野四段、岡部四段vs本田六段の対局が組まれておりますので、楽しみにしたいと思います。