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「観る将」が観た第43期女流王将戦第三局

11月4日、第43期霧島酒造杯女流王将戦三番勝負第三局が東京の将棋会館で行われました。西山朋佳女流王将が防衛して四冠を維持するのか、里見香奈女流四冠が奪取し五冠への返り咲きを果たすのか、注目される決着局となりました。

振り駒が行われ先手となった西山女流王将が四間飛車に振り、里見女流四冠も三間飛車に振って相振り飛車の将棋となりました。お互いに角頭の歩を伸ばし、角交換後に相向かい飛車に振り直します。西山女流王将が飛先の歩を交換して5筋の歩も取ると、里見女流四冠は△8七角と打って馬を作ります。

西山女流王将も敵陣に角を打って馬を作りますが、里見女流四冠は左銀を前進させて2筋から先手陣に攻め掛かります。西山女流王将は飛車を馬にぶつけて交換し、敵陣に打った角を金と刺し違えて攻め込みます。里見女流四冠は竜を引き付けて凌ぐと、先手玉のコビンをこじあけて反撃し数の攻めで寄せ切りました。

この結果、里見女流四冠の2勝1敗となり女流王将の奪還となりました。第41期に失冠して以来、通算8期目となります。また、清麗・女流名人・女流王位・倉敷藤花と合わせて五冠への返り咲きとなりました。西山女流王将は、自身最多の四冠を保持していましたが、三冠に後退することとなりました。しかしこの2人による二強時代は当面続くものと思われ、現在進行中の女流王座戦の行方も気になるところです。両者が今後も白熱した戦いを魅せてくれることを期待したいと思います。

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