第10期叡王戦段位別予選の展望(九段、八段)
第9期叡王戦五番勝負は伊藤匠七段が藤井聡太叡王をフルセットの末に降し、八冠の牙城を崩して幕を閉じましたが、早くも次期叡王戦の段位別予選の組み合わせが発表されています。叡王戦は、前期ベスト4以上(前期叡王の藤井聡太竜王名人に加え、永瀬拓矢九段、糸谷哲郎八段、青嶋未来六段)がシードされますが、それ以外はタイトルホルダーも段位別予選からの出場となります。7月2日から段位別予選が始まりますので、本稿では九段戦と八段戦の顔ぶれを確認しておきたいと思います。
九段戦
30人が3人の本戦入りを目指して戦います。
叡王戦では、これまで九段戦から勝ち上がった棋士の本戦トーナメント優勝がありません(第2期の佐藤(天)九段は八段戦からの勝ち上がり、第5期の豊島竜王はシード)。今期は九段戦を勝ち上がった棋士の叡王挑戦があるのか、興味深いところです。
Aブロック
竜王戦では1組2位の佐藤康光九段、王座戦挑決トーナメントベスト4の鈴木大介九段の他、実力者の森内俊之九段、三浦弘行九段らが入りました。本戦進出の最有力候補としては、佐藤(康)九段を挙げておきたいと思います。個人的には森内九段の勝ち上がりにも期待しています。
Bブロック
丸山忠久九段、郷田真隆九段、深浦康市九段、久保利明九段、木村一基九段ら、実力者がひしめくブロックとなりました。本戦進出の最有力候補としては、久保九段を挙げておきたいと思いますが、誰が勝ち上がっても不思議ではありません。
Cブロック
羽生善治九段、渡辺明九段、豊島将之九段、佐藤天彦九段、広瀬章人九段と、挑戦権を獲得してもおかしくないトップ棋士が集中する超激戦ブロックになりました。本戦進出の最有力候補としては、期待も込めて羽生九段を挙げておきたいと思います。このブロックを勝ち上がった棋士は、挑戦権獲得の有力候補になると思います。
八段戦
32人が3人の本戦入りを目指して戦います。
第6期には八段戦から勝ち上がった藤井聡太二冠が挑戦権を獲得し、叡王奪取を果たしています。充実期の棋士が多い段位であり、誰が勝ち上がっていくのか注目されます。
Aブロック
順位戦A級の佐々木勇気八段と千田翔太八段、王位戦では挑戦者決定戦まで勝ち進んだ斎藤慎太郎八段らが入りました。本戦進出の最有力候補としては、期待も込めて佐々木(勇)八段を挙げておきたいと思います。
Bブロック
順位戦A級の稲葉陽八段と菅井竜也八段、実力者の阿久津主税八段、松尾歩八段らが入りました。本戦進出の最有力候補としては、第8期挑戦者の菅井八段を挙げておきたいと思います。
Cブロック
順位戦A級の中村太地八段と増田康宏八段、棋聖戦では挑戦者となった山崎隆之八段らが入りました。本戦進出の最有力候補としては、期待も込めて増田(康)八段を挙げておきたいと思います。
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