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第83期順位戦B級1組9回戦

11月28日、順位戦B級1組9回戦の一斉対局がありました。

私が注目していたのは、6勝1敗と好調の近藤誠也七段と、4勝3敗で追う斎藤慎太郎八段の対局です。先手の近藤七段が相掛かりに誘導し、お互いに飛先の歩を交換して浮き飛車に構えます。斎藤七段は縦歩取りを狙い、近藤七段が▲7七金と受けると、△4四角と出て飛車を引かせます。近藤七段は金を引いて角交換し、▲6六角と打ち直して飛車を引かせ、斎藤七段が9筋の端攻めを絡めて銀桂交換すると、9筋から逆襲して"と金"を作って銀を取ります。斎藤七段は△7八銀~△6九角と先手玉に迫り、角で金を取って馬を作り、近藤七段が金取りに▲6四桂と打つと、△5七金と王手します。近藤七段は玉を3筋に引いてかわし、金桂交換してから▲7七角成と飛び込んで飛車と交換し、王手角取りに▲7二飛と打ち込んで寄せ切りました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 広瀬章人九段 - 大石直嗣七段
 羽生善治九段 - 澤田真吾七段
 大橋貴洸七段 - 山崎隆之八段
 石井健太郎七段 - 糸谷哲郎八段
 高見泰地七段 - 三浦弘行九段

近藤(誠)七段が7勝1敗で単独トップに立ち、糸谷八段は一歩後退したものの7勝2敗で昇級圏内を維持しています。佐藤(康)九段が5勝3敗、高見七段が5勝4敗、斎藤(慎)八段、澤田七段、大橋七段、石井七段の4人が4勝4敗で追っています。残留争いに回っていた広瀬九段と羽生九段は、揃って勝って4勝5敗となっています。
次の10回戦では近藤(誠)七段が大橋七段と、糸谷八段が佐藤(康)九段との対局が組まれており、注目していきたいと思います。


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