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第82期順位戦B級1組最終13回戦

私が注目していたのは、8勝3敗で勝てば昇級が決まる増田康宏七段と、5勝6敗で負ければ降級が決まる屋敷伸之九段の対局です。先手の屋敷九段が角換わりに誘導し、相早繰り銀の将棋となります。屋敷九段が3筋から仕掛けると、増田七段は8筋を継ぎ歩攻めして押さえ込みます。屋敷九段が▲5六角と据えて2筋から攻め掛かると、増田七段は9筋を端攻めし、△7七桂成と成り捨てて金香両取りに△8八角と打ち込み馬を作ります。屋敷九段が▲2三角成と飛び込むと、増田七段は歩で飛車を近づけて△2二香と田楽刺しにして、馬金交換して飛車を追い返します。増田七段が金取りに△7五桂と打ち先手陣に攻め込むと、屋敷九段は心を落ち着かせるかのように席を外したり水を飲んだりしていましたが、10分程すると次の手を指さずに投了を告げました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 佐藤康光九段 - 糸谷哲郎八段
 近藤誠也七段 - 山崎隆之八段
 羽生善治九段 - 三浦弘行九段
 千田翔太七段 - 大橋貴洸七段
 木村一基九段 - 横山泰明七段

既に昇級を決めていた千田七段に続き、増田(康)七段が9勝3敗となり自身初のA級昇級と八段昇段を決めました。近藤七段、澤田七段、羽生九段、大橋七段の4人は7勝5敗、糸谷八段と佐藤(康)九段は6勝6敗で残留です。
一方、三浦九段、山崎八段、屋敷九段が5勝7敗で並び、順位が低い屋敷九段が陥落となりました。既に陥落が決まっていた木村九段と横山七段も含め、来期はB級2組での巻き返しに期待したいと思います。


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