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第81期順位戦B級1組3回戦

7月28日に順位戦B級1組3回戦の一斉対局が行われました。

この日、私が注目していたのは、前期は昇級争いに絡んだ千田翔太七段と佐々木勇気七段の対局です。先手の千田七段が角換わりに誘導し、相腰掛け銀の将棋になります。佐々木七段が△4一飛と玉の下に飛車を回すと、千田七段は▲4五桂と仕掛けます。千田七段が5筋に桂を成り捨てて得た歩で桂頭を攻め、▲8二角と援軍を送ると、佐々木七段は△8四角と打って対抗します。佐々木七段が飛車を8筋に戻して角交換となり、千田七段は敵陣に打ち込んだ角を金と刺し違え、▲8五金と打って後手の飛車を押さえ込みます。千田七段は2筋から飛車を走らせ後手陣に攻め込みますが、佐々木七段が懸命に凌いでから攻防に△2七飛と打ったのが決め手となり即詰みに討ち取りました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 久保利明九段 - 羽生善治九段
 三浦弘行九段 - 山崎隆之八段
 澤田真吾七段 - 屋敷伸之九段
 横山泰明七段 - 郷田真隆九段
 丸山忠久九段 - 近藤誠也七段

大注目の羽生九段が敗れて2勝1敗と後退し、抜け番のある久保九段、澤田七段、中村(太)七段の3人が2勝0敗でトップに立ちました。初のA級入りが期待される千田七段と佐々木(勇)七段が1勝2敗、近藤(誠)七段は0勝3敗と出遅れました。次の4回戦では、佐々木(勇)七段vs近藤(誠)七段の対局が組まれていますので、楽しみにしたいと思います。B級1組は全12局の長丁場なので、激しい昇級争いになることを期待したいと思います。


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