第30期銀河戦決勝トーナメント2回戦 藤井竜王vs永瀬王座
12月6日に、銀河戦決勝トーナメント2回戦第1局が放映されました。早くも藤井聡太竜王と永瀬拓矢王座のタイトルホルダー同士の対局となっています。藤井竜王は本戦トーナメントGブロック最終勝ち残り者で、1回戦では中村修九段を降しています。永瀬拓矢王座はFブロック最終勝ち残り者で、1回戦では渡辺和史五段を破っています。
藤井竜王の趣向
先手の永瀬王座が角換わりに誘導し、藤井竜王は早めに銀を腰掛けます。藤井竜王は桂も跳ねず飛車も引く前に6筋の歩を突き捨て、桂を跳ねてから銀で歩を取り返してぶつけます。永瀬王座は銀をかわしますが、藤井竜王は7筋の歩を突き捨ててから銀頭を叩いて引かせます。
藤井竜王の攻勢
藤井竜王は飛車を浮き、銀をぶつけて交換すると、△6六角と打って攻め続けます。永瀬王座は飛車を6筋に回して間接的に後手陣の金を睨みますが、藤井竜王は飛車を切って金と交換し馬を作って王手します。永瀬王座は銀を投じて防ぎますが、藤井竜王は桂と銀を援軍に送り先手陣を包囲します。
永瀬王座の粘り
永瀬王座は角と飛車を打って攻めの糸口を探りますが、藤井竜王に手堅く金で守られると▲2五飛成と引くしかありません。藤井竜王が攻め駒を補充すると、永瀬王座は▲3六竜と引いて守りを固めます。藤井竜王は銀桂交換すると、馬を取らせる間に竜を取り、角銀交換して先手陣を切り崩します。
華麗な寄せ
藤井竜王は9筋の端攻めで先手の香を吊り上げ、△9七角と打ち込んで寄せに入ります。永瀬王座は諦めずに粘りますが、藤井竜王は△8八角成と桂を食いちぎり細い攻めをつなぎます。永瀬王座は▲5四桂~▲6二桂成と反撃しますが続かず、竜を作った藤井竜王が歩頭に△8六桂と打ったのを見て投了を告げました。
まとめ
本局は藤井竜王が後手番ながら先攻し、瞬く間に先手陣に攻め込みました。永瀬王座は竜を自陣に引き付けて粘りましたが、藤井竜王は駒を補充しながら細い攻めをつなぎ、最後は華麗な桂捨てで投了に追い込む快勝となりました。
勝った藤井竜王は準決勝に進み、豊島九段と糸谷八段の対局の勝者と顔を合わせます。今期の銀河戦は上位者が順当に勝ち上がっていますが、2度目の優勝を目指して頑張って欲しいと期待しています。
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