第81期順位戦B級1組11回戦
1月12日に順位戦B級1組11回戦の一斉対局が行われました。
この日、私が注目していたのは、8勝1敗で昇級争いをリードする中村太地七段と、6勝3敗で追う澤田真吾七段の対局です。先手の澤田七段が相掛かりに誘導し、お互いに飛先の歩を交換します。澤田七段は飛車で7筋の歩も取り、1筋を端攻めして香を吊り上げると、▲8五桂と跳ねて桂交換します。中村七段が銀を上がって先手の飛車を2筋に追うと、澤田七段は角を交換して▲2四歩と合わせます。中村七段は飛香両取りに△3三角と打ち、澤田七段が1筋の香を取ると、△9九角成と香を取って馬を作ります。中村七段は歩と香で飛車を追い、△2三同金と飛車に当てますが、澤田七段は構わず▲6三香成~▲7二角と飛金両取りに打ちます。お互いに飛車を取り合って攻め合いとなり、澤田七段が▲8二飛と王手で打ち込むと、中村七段は玉の上部脱出を図ります。中村七段も馬を天王山に引き付け先手玉に迫りますが、澤田七段は馬で香を食いちぎって反撃し、即詰みに討ち取りました。
他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
千田翔太七段 - 羽生善治九段
山崎隆之八段 - 郷田真隆九段
屋敷伸之九段 - 丸山忠久九段
佐々木勇気七段 - 久保利明九段
近藤誠也七段 - 横山泰明七段
中村(太)七段が敗れて8勝2敗となりましたが、単独トップを維持しています。2枠しかない昇級を目指して、佐々木(勇)七段と澤田七段が7勝3敗で追っています。数字の上では4敗の近藤七段と山崎八段まで、昇級の可能性を残しています。次の12回戦では佐々木(勇)七段と山崎八段との対局が組まれており、昇級を争う上で重要な一局となりそうです。
3人が降級する残留争いは、3勝8敗の丸山九段の降級が決まりました。2勝8敗の郷田九段は順位が上のため、わずかに残留の可能性を残しています。4勝6敗の久保九段、横山七段、屋敷九段、羽生九段にも降級の可能性があり、負けられない戦いが続いています。
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