第3期清麗戦予選トーナメントの展望
清麗戦は2019年度に新設された女流棋戦で、今期から大成建設が主催しています。予選トーナメントの優勝者と、再挑戦トーナメントと呼ばれる敗者復活戦を勝ち抜いた3名の、合わせて4名が本戦をトーナメントで戦い、優勝者が挑戦権を得ます。
今期の予選トーナメントは既にベスト4が出揃っておりますので、顔ぶれを確認しておきたいと思います。
山根女流二段
2014年プロ入りの22歳で振り飛車党です。第45-47期女流名人戦で女流名人リーグ入りを果たすなど、着実に力をつけてきた新鋭です。2月23日に敗れるまで17連勝を記録するなど絶好調です。
武富女流初段
2018年プロ入りの21歳で居飛車党です。第46期女流名人戦で女流名人リーグ入りを果たして女流初段に昇段した新鋭です。
香川女流四段
2008年プロ入りの27歳で振り飛車党です。女流王将獲得2期の中堅で、1月に昇段したばかりです。YouTubeに「香川愛生チャンネル」を開設し、様々な情報発信をしています。
伊藤女流三段
2014年プロ入りの27歳で居飛車党です。女流タイトル獲得経験はありませんが挑戦7回の実力者です。前期清麗戦では予選トーナメントで優勝し、本戦の決勝まで勝ち上がっています。2019年度は2度目の優秀女流棋士賞と、3年連続の女流最多対局賞を受賞しています。
準決勝は、山根女流二段vs武富女流初段の新鋭対決と、香川女流四段vs伊藤女流三段の中堅対決となっています。本命は安定感抜群の伊藤女流三段だと思いますが、個人的には勢いのある山根女流二段に期待しています。前述した通り、敗者は再挑戦トーナメントに回って本戦を目指すことになりますが、ここまで来たら優勝して本戦入りしたいところだと思います。
前期挑戦者の上田女流四段や本戦入りした石本女流初段は、強豪の加藤(桃)女流三段、室谷女流三段、中井女流六段らとともに再挑戦トーナメントに回り、本戦入りを目指しています。清水女流七段、甲斐女流五段、岩根女流三段、中村(真)女流三段ら実力者が既に敗退しており、負けたら終わりの厳しい戦いが続いています。