#5 欲をかかないことの大切さ

尊敬する経営者がよく言う言葉。欲をかかないという事。

私がその人に初めて出会ったのは23歳ぐらいの時だったと記憶している。ちょうど大学を卒業した頃。お世辞にも自分の会社が上手くいっているとは言い難い状況で、就活もせず社会に飛び出したがこれからどうなるのだろうと思っている時期だった。

売上が伸ばさないといけないからどうしたらいいか周りに相談した結果、高いオーダースーツやオーダーシューズ作ってみたりしていた時期があった。売り上げは客数×単価で出るので、どちらかを伸ばさないといけないとなったら、単価を上げることばかり考えていた。

勿論それも悪い施策ではないのだが、経営的に考えると難易度が高いと、尊敬する経営者は聞かせてくれた。

ある飲食店の話だった。大阪にある飲食店で売り上げもそこそこ、大きくない飲食店だったが300万円ぐらいの月商があったように思う。年間3600万円。勿論土地にもよるが飲食店にしては悪くないと思う。

しかしその飲食店はもっと多くの利益を求め、単価を上げたり素材を悪くしたそうだ。結果、顧客は減少してしまったという。

まあ当然と言えば当然ではあるのだが、経営をする当人となると非常に難しい。美味しいものを提供しようとコスト度外視で潰れてきた企業は私自身何社も見てきたし、美味しいものが必ず売れるとは限らないのだ。

経営をする以上利益を出さなければならない。しかし、顧客に満足されないと難しい。あの値段でこの品質はないよね、と思われたら厳しいのだ。

結局のところ、人間高級品を買ったりして見栄を張りたいときもあるが、高級品なバッグを買ってきらびやかな生活を送っている人でも裏では節約してバランスを取っていたりするものだ。

だからこそ低価格だと感じてもらえる製品設計を心がけないといけない。利益はその分薄くなるが、適正価格っていうものがあるものだ。ちょっと利益が少ないなと思うぐらいがちょうどよいのだ。



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