#22 事業を創るときはこだわりをへらす。

私は事業を創るうえで尊敬している経営者に様々なことを教わった。そのうちの一つがこだわりを減らすという考え方である。もちろんこれは様々な経営方法があると思うので一概にこれが正解だとは思わない。ただ、正解のうちの一つというだけだ。

私は元々靴磨き事業からスタートした。靴磨き事業とは言っても路上でセコセコ磨いていたわけではない。ラスイート神戸ハーバーランドという一泊5万を超えるホテルに店舗を出した。こだわりは強かった。この輝きを出すためには…みたいなことを永遠にやっていた。

こだわりを強くすると言うのは顧客体験としては非常に素晴らしいものである。そこでしかない体験というものを生み出すのは素晴らしいものだ。だがこだわりを増やし過ぎると人材の育成は難しく、属人性は高くなり、事業の継続性は下がり続ける一方である。

事業とは継続し続け、多くの人にサービスを提供できるインフラ的なものでなければいけないと思う。そういったサービスを思い出してほしい。やっていることは凄くシンプルで仕組化されているのだ。そこにこだわりは一切ない。

例えばマクドナルドはどうだろうか。マクドナルドの店員で自分のこだわりを持っている人はいない。すべて分量が決まっていてその通りにすればそこそこ美味しいバーガーが出来上がる。
本当ならもっと美味しいを追求できるのだろうが、低価格で素早く、簡単に出来る方法を採用しているからこそあそこまで拡大している。

また、ディズニーやユニバーサルスタジオジャパンなどもこだわりが強いと思われがちだが実際はそうではない。感動する「仕組み」が徹底されている。建物そのものに価値があり、そこに訓練されたキャストが対応している。

逆に、拘りがつよいイメージがあるものと言えば個人経営のバーなどではないだろうか。勿論酒の美味しさなどもあるのだろうが店主と話に来ている人がほとんどだろう。店主が辞めると客は飛ぶ。面白い人を雇い続けるのは難しい。なぜなら、その人に価値があるなら、その人は独立するだろうから。

まあ少し話がそれた気がするが、事業を創るときはこだわりを思い切って減らしてみることが大切である。自分がいなくても何とか回るようにする。雇用を生みだす。そのうえで、顧客が喜ぶような事業、サービスを創れた時初めて成功と言えるのではないか。


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